| HOME > 連載コラム > 韓国家庭料理:第5回 お茶と韓菓 |
![]() 日本でお茶といえば緑茶などの葉っぱをイメージしますが、韓国の伝統茶に茶葉は使われていないのをご存じでしたか? 今回は日本とはちょっと違う韓国の伝統茶と伝統菓子をご紹介します。 ■ 緑茶から伝統茶へ。薬食同源の健康飲料 韓国のお茶(緑茶)の歴史は古く、仏教の隆盛とともに発展してきました。新羅時代には王家やお寺、花郎(ファラン)(青少年の修養団体)でお茶を楽しむ風習が定着し、春の燃灯会(※)、冬の八関会(※)など国家的な行事のために茶房という官職が設けられました。町には茶を飲みながら休息をとる茶店があるほど庶民からも親しまれ、すぐれた青磁の茶器がつくられたのもこの時代です。 それが朝鮮王朝後期になると、崇儒排仏政策(儒教を重んじ、仏教を排除する政策)をとった王朝により、あらゆる儀式が儒教の朱子学に基づき執り行われるようになりました。お茶も仏教と係わりがあるとされ、お茶の木に高い税がかけられたり、祭礼のお茶もお酒に変わり、次第に緑茶文化が衰退していったのです。そこで、これに変わるお茶として庶民が考え出したのが花菜(ファチェ)、密水(ミルス)、食醯(シクヘ)、水正果(スジョンカ)などの果物や漢方を使ったお茶、つまり韓国の伝統茶です。 これらは乾燥させた薬餌(やくじ)材料や果物などを粉末にしたりスライスし、それを蜂蜜や砂糖に漬け込みます。これを“清(チョン)”と呼び、水や湯を加えて飲みます。そのため甘いものが多く、疲労回復や体の機能の低下にも効果があります。薬食同源の思想を大切にしている韓国では、お茶も立派な健康飲料として親しまれているのです。
■ お茶のお供はお菓子が一番。韓国の伝統菓子、韓菓 日本に和菓子があるように韓国にも伝統的なお菓子があります。韓国の伝統的なお菓子は、洋菓子やスナック菓子など外来のお菓子と区別するため、韓菓(ハンクァ)と呼ばれ、材料に穀物とハチミツ、松の実、胡麻、クルミ、クリ、ナツメなどを使用しているため、栄養面でも優れています。 韓菓は新羅・高麗時代にはお茶の風習とともに発展し、宴会や国家の行事(燃灯会、八関会)など祭祀の必需品でもありました。朝鮮王朝の時代は、嗜好品として宮中や貴族層の間で発達し、婚礼や祭礼、各種宴会になくてはならないものとして華やかに使われたようです。 このように発展した韓菓は、材料や作り方等により、油密菓(ユミルクァ)、カンジョン、正果(ジョンクァ)、茶食(タシク)、果片(クワビョン)、熟実菓(スクシル)に区分されます。
韓菓の種類は現在まで大きな変化はなく、今日に伝承されています。昔のように各家庭で作られることはあまりなく、洋菓子やケーキと一緒に店頭で売られています。今でもお祝いの席には高く盛られた韓菓が配膳される風習も残っており、食後のお茶と一緒に食べるデザートとして親しまれています。 ※燃灯会・八関会…燃灯会とはお釈迦様の誕生日を祝う仏教の祭典のこと(現在も韓国の祭りとして全国で行われている)。八関会とは秋の収穫祭と仏教節会の習合した行事のこと。 |
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