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HOME > 連載コラム > 韓国家庭料理:第6回 秋夕(チュソク)
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韓国家庭料理 監修:姜 連淑(韓国伝統料理研究家)
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【第6回(最終回)】 秋夕(チュソク)
韓国の家庭料理や文化を紹介してきた本講座もいよいよ最終回です。最後は韓国で旧正月と並びもっとも大事な名節(ミョンジョル)(祝祭日)である「秋夕(チュソク)」をご紹介します。

■ 先祖をしのび、豊穣を祝う秋夕

秋夕は旧暦の8月15日のことで、豊かな実りを与えてくれた先祖に感謝する日です。日本のお盆の行事に近いでしょうか。日本では新暦の8月半ばに、お墓参りや先祖の供養をしますが、韓国では今でも伝統行事や日々の暮らしに、旧暦が使われています。旧暦なのでその年によって日が異なり、閏月(うるうづき)で7月が2回ある今年は10月6日が秋夕になります。

秋夕の時期は農作物の収穫も一段落し、街に新米や初物の果物が出回る頃。秋夕には新酒と初物の食べ物を真っ先に先祖に供えます薦新の茶礼(せんしんちゃれい)。その後、お供え物を下げ、それを家族みんなでいただきます。これを福を食すと書いて「飲福(ウムボク)」といいます。先祖と同じものを家族で分かち合って食べることで、福を授かり、一家の絆が深まるとされています。

■ 秋夕はお盆とお正月のにぎわい

秋夕が近づくと日本の大晦日のように市場やデパートの食品売り場は大にぎわい、台所を預かる女性たちはご馳走の準備に忙しくなります。お供えものだけでなく、食べきれないほどのご馳走を用意するのが主婦の腕の見せどころ。親族の多い家では本家のお嫁さんだけでは手が足りず、親戚中の女性たちが協力して作ります。

秋夕の代表的な料理は、新米で炊いた栗ごはんに里芋の澄まし汁、それと松餅(ソンピョン)というお餅でしょう。松餅は新米(うるち米)の粉をこねて、その中に初物の栗や豆のを入れ、松葉を敷いて蒸したものです。家々によって味が違うのも楽しみのひとつ。半月もしくはあさり型の食べやすい大きさなので、いくつでも口に入ってしまいます。幼い頃、「松餅が上手に作れると素敵な男性に出会えるよ」とおだてられて手伝ったのも懐かしい思い出です。

松餅(ソンピョン) 栗卵(ユルラン)と棗卵(チョラン)
▲松餅(ソンピョン)
新米の粉(白色)に、五味子水(ピンク色)やヨモギ(緑色)を混ぜて捏ね、半月やあさりの形にします。蒸し器に松の葉を敷いて蒸した後、冷水にさらし、ごま油をつけます。松の葉の清々しさとごま油の香ばしさがクセになるおいしさです。
▲栗卵(ユルラン)と棗卵(チョラン)
栗卵は煮た栗を潰して砂糖と蜂蜜、シナモンを混ぜて栗の形にしたもの。
棗卵は乾燥ナツメの種をとり、みじん切りにする。それに水飴を混ぜて煮たものをナツメの形にして、松の実を差し込んだもの。どちらも秋夕のときに出され、実りの秋を堪能できるお菓子です。

秋夕の前後は連休になり、たくさんのお土産を抱えて故郷に帰る人たちで交通機関は混雑を極めます。ソウルなどの都会では人や車の姿はなくなり、繁華街も店を閉めてしまうほどです。家族でお墓参りをすませた後は、ご馳走やお酒を楽しんだり、名月を愛でながら家族が心ゆくまで語りあうのも秋夕ならではの過ごし方です。こうして秋夕が終わり、故郷の温かいもてなしを満喫した人たちは、また気の遠くなるほどの交通ラッシュに巻き込まれながら、都会へと帰っていくのです。


韓国には“多からず少なからず、秋夕ぐらいであれ”ということわざがあります。秋夕の頃は気候も良く、一年でもっとも実り豊かな季節。この秋夕のように豊かで楽しく過ごせる日がちょうど良いという意味です。あわただしい現代に生きる私たちも、家族で過ごせる秋夕のような楽しさがいつまでも続けばと、願わずにはいられませんね。

今月の一品
里芋の澄まし汁

<材料・約4人分>
●里芋:400g
●牛肉(かたまり):150g
●昆布:10cm×8cm
●合わせ調味料(塩・薄口醤油:各小さじ1、こしょう少々)

<作り方>
(1)里芋は米のとぎ汁で湯がき、冷水に通してザルにあげる。昆布は表面を拭く。
(2)牛肉はかたまりのまま10分ほど水につけてから、カップ6の水で煮る。
(3)牛肉に串が通ったら昆布を入れ、1~2分で火をとめて牛肉と昆布を取り出す。
(4)汁をペーパータオルで濾して、合わせ調味料で味を調える。
(5)牛肉と昆布を2cm角の薄切りにし、薄口醤油、こしょう少々で味をなじませておく。
(6)(4)の汁を沸騰させ、里芋を入れて煮る。串が通ったら・を加えてひと煮立ちする。
(7)最後にもう一度味を調え、刻みネギをのせる。

里芋の澄まし汁

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