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連載コラム

ようこそ!シアターの世界へ

第2回 オペラ

400年の歴史をもつ舞台芸術

オペラとはもともと、「作品」を意味するイタリア語です。古代ギリシャ・ローマの芸術を復興させようとするルネサンス文化を背景として、16世紀末期に誕生しました。人間らしい感情の揺れ動きや男女・親子の深い情愛をこまやかに表現した作品群はたちまち人気となり、1世紀もたたないうちにヨーロッパの宮廷や都市で400以上もの作品が上演されました。また、多くの作曲家がオペラ音楽で名を残しています。

ウィーン国立歌劇場

ウィーン国立歌劇場

舞台で展開される濃厚な人間関係

オペラ作品には喜劇、悲劇、史劇等がありますが、個性豊かな登場人物が織りなす人間関係がひとつの見どころです。『フィガロの結婚』は、結婚を控えたカップルと花嫁に横恋慕する伯爵、その妻が引きおこす騒動を描く喜劇。浮気性の伯爵を知恵と機転で懲らしめる様子が痛快な作品です。『椿姫』では、高級娼婦と純朴な青年の悲恋が描かれます。美しいメロディに乗せて運命を嘆く男女の歌声は、今も昔も観客の心を打ちます。

イラスト

オペラを観に行こう!

劇場では、情感豊かなパフォーマンスを肌で感じることができます。『ウィーン国立歌劇場(オーストリア)』『スカラ座(イタリア・ミラノ)』等は、数々の名作が初演された、オペラを語る上で欠かせない劇場。日本でも『新国立劇場』をはじめとした劇場で鑑賞することができます。人気の公演のチケットは発売と同時に売り切れることもあるので、早めにチェックしましょう。

知ってる?鑑賞マナー

オペラ鑑賞時のドレスコード

オペラ鑑賞というと、観客も着飾って行くものと思いがちですが、最近はそうしたドレスコードは緩くなってきているといえます。海外のオペラハウスでは男性なら普段使いのスーツ、女性ならワンピースで問題ありません。日本ではジーンズにスニーカーという服装も見られるほどです。

海外でも、清潔感のある服装であればそれほど気にすることはありません。ただし、プレミエ(新作や新演出上演の初日)は特別です。タキシードやドレス等、華やかな公演にふさわしい服装で出かけましょう。

参考:「オペラ・ハイライト25」「一冊でわかる オペラガイド126選」