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新しいものに触覚を 水谷さんと言えば『新派』と、あたかも代名詞のように世間に浸透していますが、『新派』とはどういったものなのでしょう。 「簡単に言えば、『わかりやすく』、『面白い』芝居を目指してきた商業演劇のはしりみたいなものと解釈していただければ良いのではないでしょうか。『新派』の先人達は、娯楽としてお客様に喜んでいただくために何でもやりました。そのために新しいものへ常に触覚を張り巡らせ、いろいろなことを吸収してきました」 スクリーンは聴衆の数だけ 今年で二回目となる「大つごもり」(「大つごもり」とは大晦日の意。皆さんご存知でしたか?)では、明治語で書かれた樋口一葉の原作を水谷さんが朗読され、現代語で書かれた久保田万太郎脚色の新派の名舞台「大つごもり」を、新派の若手劇団員の方々が演じられるという、今までにないスタイルの舞台を公演されるということですが、芝居と朗読の大きな違いとは? 「芝居の場合は、お客様に舞台の世界にお入りいただきたいと思っています。朗読の場合は、お客様の頭の中か、胸の中かわかりませんが、どこかに映像を映し出すスクリーンのようなものがあって、そこに各自で映像を描き出していただき、それを楽しんでいただきたい。ですから、スクリーンは十人十色、お客様の数だけ存在します」 二度とできないコラボレーション 「芝居では、お客様は第三の共演者になります。朗読するときには、お客様が唯一の共演者になりますから、いつもどんな相手役なのかなぁという『怖さ』を感じています。お客様という共演者とは、本番でしか合わせることはできませんから(笑)。同じ舞台でも、二度と同じものは生まれない。刹那の空気を一緒に吸っているということを大切にしたいと思っています」 日本人のきめの細やかさを耳で感じて、味わってもらいたいと話される水谷さんの口からは、一語一語噛み締めるように、私たちが失ってしまった「美しい日本語」を耳にすることができました。これも『新派』という、新しいものを貪欲に追い求めてきた集団の中にいたからこそ、逆に日本文化の良さを肌で実感されてきたからでしょうか。 インタビュー後、「うちの猫ちゃん可愛いでしょ?」と携帯電話の画面を見せてくださった表情から、一瞬、素顔の水谷さんを垣間見ることができたような気がします。そんな水谷さんが出演される「大つごもり」に皆さんもぜひ参加して、コラボレーションを楽しまれてはいかがでしょう。 |
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