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俳優 市村正親さん
 「港区に個人事務所を構えていましたので、なじみ深い街です。高級感のある素敵な街ですね」と港区の印象を語る、舞台俳優の市村さん。90年まで劇団四季のトップ俳優として活躍され、退団後もミュージカル、ストレートプレイ(※1)、一人芝居など様々な舞台に挑戦されています。今年2月に出演される舞台「デモクラシー」(※2)に向けて、年明けから稽古を始められている市村さんにお話を伺いました。

真剣に生きる10人の男達のドラマ

「しばらく明るめの舞台が続いていて、久しぶりにシリアスな話がやりたいと思っていたところに、?ロンドンでいい舞台をやっている?と教えてもらったのがきっかけです。政治の世界を描いた堅い話なんだけど、人間が非常によく描かれていて、実に面白かった。実際ロンドン公演を観て思ったのは、真剣に生きている男達のドラマだということ。女気は一切ないんです。こういう芝居は最近珍しい。登場人物が男ばかり10人で、全員背広を着てるっていう芝居も珍しいでしょう?」

 「デモクラシー」の舞台は冷戦下の東西ドイツで、主人公は西ドイツ首相として東西ドイツ統一に尽力し、後年、ノーベル平和賞を受賞したブラント首相と、彼を長年支え続けた個人秘書。この個人秘書が実は東側のスパイだったという衝撃の史実に基づくストレートプレイです。ブラント首相役を鹿賀丈史さん、スパイのギョーム役を市村さんが演じられます。首相と優秀な側近達、そしてスパイのギョーム。10人の男達による、政治を取り巻く究極のゲームが繰り広げられていきます。

 今回、市村さんがブラント首相役に鹿賀さんを推薦されたそうです。「ロンドンで舞台を観て、自分でギョーム役を演じたいと思った後、ブラント首相は誰かなー、誰かなーと。ブラントは政治家としてのカリスマ性は勿論のこと、人間としてチャーミングなところもあり、ユーモアもあるジェントルマン。そうだ、丈史がぴったりだと思いまして」。こうして鹿賀さんと、劇団四季退団後、26年振りの共演が実現されました。

舞台上にありながら、存在を消す

 「私が演じるギョームは政治家のブラントから見ると、余りに平凡な一般人。それでいてスパイだから、その場に居ても、人に気付かれない存在にならなければならない。舞台に立っているのに、存在を消さなければならない役だなんて、初めて(笑)。今回は3重4重で難しい役だと思っているんですよ」と、今までにない役に挑戦する意欲を語っていただきました。最後にお休みについて伺ったところ、「仕事が忙しいのが、僕の普通の状態。休みがほしいと思わないし、暇な時間が出来ると、むしろ調子悪くなっちゃいます」とおっしゃるほど、舞台が大好きな市村さん。「デモクラシー」での?存在を消した存在感?が楽しみですね。

※1:ストレートプレイとは、ミュージカルではない普通の芝居のこと。
※2:「デモクラシー」は、緻密な構成と知的な刺激にあふれた戯曲の書き手として世界的に著名なマイケル・フレインの最新作。世界初演となったイギリスではロングランされ、昨年11月からはブロードウェイにも進出した作品。

市村正親さん 写真
■プロフィール
1973年デビュー。『エクウス』『オペラ座の怪人』などに主演し、劇団四季のトップ俳優となる。1990年同団退団後も、さまざまな舞台に意欲的に挑戦。代表作にミュージカル『ミス・サイゴン』『蜘蛛女のキス』、1人で54役を演じる『クリスマスキャロル』など。日本を代表する舞台俳優として活躍。
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