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古希を迎えてもの申す ── 70歳の談志師匠
2006年早々、70歳を迎えられた立川談志師匠。実力派な上に型破りなスタイルでたくさんのファンを引きつけてやまない師匠が、「みなと毎月落語会」のトップバッターとして登場されます。はたして、今年の落語界や昨今の落語ブームをどう見ていらっしゃるのか、お話を伺いました。 やるだけのことはやり終えて 「新年早々へんな話をするけれども…」と話しはじめた師匠。「精神的にも肉体的にも参ってしまって…、60代、中でも63~65歳の頃がピークで、“やりやがった”と人に言わせた芸もあったけれども、今は過去の残光のようなもの」と独特のシニカルな談志節です。こんな弱気な風情を漂わせるのも師匠の芸風のひとつ。これまでにも、食道がんなど、さまざまな不調を乗り越えられてきた師匠。「やるだけのことはやったと。そういうことですね」と、芸の世界を極めた師匠ならではの言葉です。 昨今の落語ブームは 「自分は一区切りついた」という師匠ですが、最近の落語界については、辛口のコメントを矢継ぎ早に。世間では、過去の噺家やほかの芸の世界と比較して、良い悪いなどと取り沙汰しますが、師匠の判断基準は「現実は事実である」というただ一点。落語がブームだという現実は事実として認めるけれども、ブームそのものはウケ狙い、と指摘します。一般の人が笑うことの楽しさを覚え、笑いたくて来ているのに対し、伝統という形式を借りて好き勝手やっているだけとバッサリ。伝統芸としては良くない状況で、しかもそれは直らない。政治も経済も、落語も、すべてのことが良くならないのだと、世間のありさまに、鋭くもの申す姿勢は健在です。 それでは、落語界は本当にダメなのかというと、そんなことはないようです。師匠が見事ッ!と高く評価しているのは立川志の輔さん。また、関西の桂文珍さんや、桂三枝さんなど実力派のお名前もあげて、「ひとりでもふたりでも良い噺家がいれば…」と、希望を託しているご様子。 「みなと毎月落語会」に登場! 港区には落語の舞台となっている場所がたくさんあります。師匠も、伝統芸をやっている者としてやはり感慨を感じるそうです。この場所に芝浜(『芝浜』)があったのだとか、日陰町(『江島屋騒動』)や、芝片門前(『大仏餅』)があのあたり、などと町を見て思うそうです。神田や浅草、本所・深川にもそういう場所はありますが、港区といえばやはり芝。「『芝で生まれて神田で育ち』などという、江戸っ子の血統といわんばかりのセリフもあるね」と語ってくださいました。 当然、過去のお話なので、現代とはギャップがあります。けれど、それをいろいろな方法で埋めていくのがまた、落語の芸。伝統芸のすばらしさを現代に伝えるには、自分自身もまた現代に生きていなくては、と語る師匠。 |
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