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ふれあいコラム
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歌舞伎俳優 市川 右近(いちかわ うこん)さん
「歌舞伎の楽しみ方」

 3月に国立劇場で上演される歌舞伎「猿之助十八番の内 當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん)(※)」で主役の小栗判官を演じられる市川右近さんに、歌舞伎の楽しみ方や今回の舞台のみどころ、港区についてお話を伺いました。

単純に楽しんでいただきたい!

 「歌舞伎は難しいと思われがちですが、楽しいものだということを感じていただきたいですね。現代演劇に慣れている今のお客様の中には、この物語のテーマは何だとか、メッセージは何だとか、難しいことを考えられる方もいらっしゃいますが、歌舞伎本来の楽しみ方は、単純に綺麗だとか、楽しいと感じていただくことではないでしょうか。細かい内容や筋などは、あとから筋書きを読んでいただいても分かりますから。(笑)
 そのためには、ぜひ劇場に足を運んで、映像とは違う生の舞台の醍醐味を感じていただきたいですね。劇場で観ていただく場合、音楽の好きな方は邦楽の生音楽だとか、美術や絵画に興味のある方は舞台美術だとか、または好きな役者をじっと見ている(笑)とか、自分の好きなところに焦点を当てて十人十色の楽しみ方ができますから。
 また劇場に足を運ぶことで、その日の天気だとか、誰と観に行ったとか、何を食べたなどその日一日が思い出になりますから、そういうのも楽しみ方の一つではないでしょうか」

碁盤乗り(※)あり、宙乗り(※)ありとみどころ満載!

 「歌舞伎座のように、名場面と言われる一場面だけを演じると、主人公の性格も一色(ひといろ)しか出ないかもしれないけど、通し狂言(※)で上演しますので、小栗判官の馬術の名手としてピリッとかっこいいところや、色気のある二枚目な部分だとか、人間が誰しも持っている二面性 ─陰と陽や強さと弱さ─ など色々な面を表現できればいいなと思っています」と語る右近さん。また今回の舞台では、馬術の名手である小栗判官が、自分を殺すために差し向けられた荒馬を手なずけて見事に乗りこなす「碁盤乗り」や、小栗判官と照手姫(てるてひめ)が敵を討つために天馬に乗って常陸へ向かう「宙乗り」など観ているだけで楽しめる場面も満載! 初めて歌舞伎をご覧になる方にも充分楽しんでいただける内容だそうです。
 また、今回は初の試みとして、平日の第二部が18時30分から開演されます。(通常は16時30分開演)
 「今までは仕事などでなかなか平日に歌舞伎を観に行けなかった会社員の方にも、会社帰りに歌舞伎を楽しんでいただけるようになったので、ぜひ多くの方に観に来ていただきたいですね!」
 この機会に、皆さんもぜひ歌舞伎の魅力に触れられてみてはいかがでしょう。

右近さんのオススメ
車好きの右近さんに港区内のお勧めドライビングスポットをお聞きしたところ、即答で「増上寺とプリンスホテルの間の小道」と言うことでした。ここから見える東京タワーが一番キレイ!だそうです。
皆さんもこの小道から見える東京タワーの眺めを楽しんでみてください。
市川 右近さん 写真

■プロフィール
昭和38年、日本舞踊の家元の長男として大阪に生まれる。昭和47年6月、京都南座で初舞台、50年1月大阪新歌舞伎座「二人三番叟(ににんさんばそう)」の附千歳(つけせんざい)で、猿之助の部屋子(へやこ)となり市川右近を名乗る。
3年前、猿之助が病気休演した際の「西太后」(博多座)では代役を演じ、昨年前半は4ヵ月間スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」で、これまで猿之助が演じていた主役のヤマトタケルを、段治郎とダブルキャストで上演し成功させるなど、師匠不在の一門の牽引役として活躍している。シャープな切れのある熱い演技に定評がある。

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