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二期会 松本 宰二 (まつもと さいじ) さん

オペラ『カルメン』の時代にタイム・ワープ!!

新春1月27日、高輪区民センターで開催されるオペラ『カルメン』ハイライト(解説付き)。この公演にエスカミーリオ(闘牛士)役と語りで出演されるバリトン歌手松本宰二さんに、お話を伺いました。

――ビゼーのオペラ『カルメン』の魅力とは?

『カルメン』には「ハバネラ」、「闘牛士の歌」をはじめ、皆さんどこかで聞いたことのある曲がたくさんあります。曲はメロディックで覚えやすく、ドラマは起承転結がはっきりしていて見応えがある。ヴェルディの『椿姫 (ラ・トラヴィアータ)』、プッチーニの『蝶々夫人 (マダム・バタフライ)』を抑え、上演回数は世界でもダントツではないでしょうか。

実はパリ・コミック座の初演(1875年)は、批判が多くて大失敗だったんです。その頃のオペラ劇場は良家の子息・子女が集う社交場だったんですね。演目は神話や英雄伝などの爽やかな題材のみ。なのにビゼーは、決して上品とはいえないジプシーの女性カルメンに焦点をあてたんです。密輸業者とかイカサマ師とかいっぱい出てくるし、最後には色恋沙汰のもつれでカルメンは殺されてしまう。ところが「これは道徳上良くないオペラだ」と批評家が言ったがために、「どんなオペラなんだろう」とお客がどんどん観にきた。不評にもかかわらず劇場にお客が増えていったんです。

それまでのヒロインは高くて澄んだソプラノが主流だったんですが、カルメンの声はメッゾ・ソプラノ。くすんでいながらエネルギッシュで華やかな、低い声が初めて脚光を浴びたんです。しかも今までになかったタイプの女性…。それもこのオペラの魅力の一つだと思いますね。

――高輪区民センターのオペラ『カルメン』はどんな舞台でしょうか?

オペラの楽しみは、その時代の背景 (セット)・衣裳で、その時代のドラマが生で見られるところだと思うんです。『カルメン』だったらカルメンの生きていた19世紀のスペイン・セヴィリアにタイム・ワープができる。ただし、キャストからオーケストラ、背景まですべて組んだら大変なお金がかかります。だからオペラのチケットって高いんですよ(笑)。

今回は初めてオペラを観る方にも気軽に楽しんでいただけるよう、オペラの醍醐味・エキスを抽出し、解説も交えながら、ハイライト形式でご覧いただこうと思っています。何よりも人間の出している最高のもの、生の声の素晴らしさを感じていただきたい。この公演をご覧になったら、次はオペラを全幕観てみたいな、というステップになれたらいいですね。蝶ネクタイにロングドレスではなく(笑)、気楽に高輪区民センターに足を運んでみてください。

松本 宰二さん 写真

■プロフィール
声楽家。ワーグナー「ローエングリン」でデビュー。オペラ、コンサートに多数出演する傍ら、2000年、8人のダブルカルテットからなるユニットグループ「二期会・マイスタージンガー」を結成。オペラの名曲から唱歌、ポップスまで「わかりやすく楽しく品格を損なわず最高水準の音楽」をコンセプトに、全国的にコンサートを展開、好評を得ている。ディズニーアニメ「美女と野獣」(日本語版)ではガストンの声を担当。二期会会員。

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