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新国立劇場バレエ団 ソリスト 本島 美和(もとじま みわ)さん

舞姫ニキヤの恋

5月25日に新国立劇場で上演されるバレエ「ラ・バヤデール」。この公演でヒロインの舞姫(バヤデール)・ニキヤを演じられる本島美和さんにお話を伺いました。

――バレエ「ラ・バヤデール」の魅力について教えてください。

バレエというと「白鳥の湖」や「ジゼル」のように、白いチュチュや、ヨーロッパのロマンチックな情景を連想される方が多いと思いますが、「ラ・バヤデール」の舞台は古代インドなんです。初演は19世紀後半、ロシアのマリインスキー劇場。当時は簡単に外国に行ったり、情報が入る時代じゃなかったんですね。だから、その時代のヨーロッパの人たちが思い描いたオリエンタリズムが、作品にあふれているんです。日本人の私たちが見ても、舞台も衣裳もとてもエキゾチック。物語が壮大なせいか、部分的にしか上演されることがなかったのですが、今回新国立劇場バレエ団は全幕通して上演します。

――本島さんの演じるニキヤとはどんな女性ですか?

ニキヤは寺院に仕える舞姫で、ソロルという恋人がいます。でもソロルは王様の娘と婚約してしまう。王様の娘はニキヤに身を退くよう命令しますが、ニキヤは凛(りん)として断り、二人のお祝いの席でニキヤは毒蛇に咬まれて死んでしまうんです。自分が愛するものに対して真っ直ぐなんですね。身分は低くても心に誇りのある、気高い人だと思います。

――見どころのシーンを教えてください。

亡くなったニキヤの幻影たちがソロルの夢の中に舞い降りてくる三幕の「影の王国」です。2003年の公演ではコールド・バレエ(群舞)でこの場に出させていただきました。三十数人の舞姫が一糸乱れずに踊るのは本当に難しいのですが、クラシック・バレエの真髄とも言えるほどの美しさです。他のバレエ団の公演はここで終わりですが、牧阿佐美芸術監督の演出はもう一幕あるんです。歌舞伎のようにガラガラっと舞台が崩れたり、思いもよらない結末が待っていたり。あとは劇場でのお楽しみです(笑)

――はじめてバレエをご覧になる方にメッセージをお願いします。

新国立劇場は新しくて美しい劇場なので、雰囲気を楽しんでいただきたいです。バレエは生のオーケストラを使い、ダンサーも生身、その日に起こることは誰も予想がつかない面白さがあります。そして目標を持って作品を作りあげていく、その集結したエネルギーの迫力を感じていただけたらと思います。

本島 美和さん 写真

■プロフィール
橘バレエ学校、牧阿佐美バレエ団、新国立劇場バレエ研修所を経て、2003年より新国立劇場バレエ団契約ソリストとなる。「ドン・キホーテ」「ジゼル」「コッペリア」「椿姫」に主演。サントリー「DAKARA」のCMでは、華麗に踊るブタ「ピグリン」として登場。

[写真] 新国立劇場バレエ団「ラ・バヤデール」 第3幕「影の王国」でソロルの夢の中に登場する舞姫たち(撮影:瀬戸 秀美)
新国立劇場バレエ団
「ラ・バヤデール」

撮影:瀬戸 秀美
第3幕「影の王国」でソロルの夢の中に登場する舞姫たち
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