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落語家 立川志らく(たてかわ・しらく)さん

好きなこと、やりたいことは止められない

7月29日のみなと毎月落語会に登場する立川志らく師匠に、落語やご自身のことなどを伺いました。

――落語家になられたきっかけは?

大学生の頃、先代の金原亭馬生 (きんげんていばしょう) 師匠の最期の高座を見て落語家になろうと決意しました。末期がんに冒されていた馬生師匠は声も出ない、でも命をかけた演目『船徳』は凄いものがあって…。

その馬生師匠のお弔いの日の寄席に立川談志が出ていて、落語もやらずに延々と馬生師匠の思い出を語っていた。その姿が格好良くて、理屈抜きに談志に弟子入りしました。当時の落語界は年功序列でなかなか前座から上に上がれなかったんですが、談志はそこに実力主義を取り入れたんです。落語50席を必死で覚え、2年ちょっとで二つ目になりました。

談志は右脳と左脳が一緒に働くのか、わぁーッと怒鳴りながらも、理路整然と理屈を言うんです。今でも怖いけど、談志がいなかったら今の自分はいない。生き方も価値観も共有できたってことでしょうね。

――みなと毎月落語会の演目は?

そのときやりたいものを出したいので、演目は決めてないです。みなと毎月落語会は、私の熱心なシンパもいれば、初めて落語を聞きに来る、楽しんでみたいという人も半分くらいいて、なかなかいい雰囲気なんです。5月の高輪らいぶ寄席は、私の弟子も登場させていただきました。前座や二つ目の成長過程を見るのも楽しいですよ。でもまだまだ弟子より私の方が成長が早いかな。

――古典落語以外でもご活躍ですね

映画を落語で語る“シネマ落語”をやっています。好きで取り上げる演目は、70年代以前の古い作品が多いですね。ビリー・ワイルダーの『アパートの鍵貸します』なんかは、舞台がニューヨークなのに、伏線の張り方や人情が江戸の落語の世界に通じるところがあるんです。

私はこれをやりたいとなったら絶対にやる性格なので、“映画が好きだ。作りたい”となると作らずにはいられない。芝居も自ら演出して10本やりました。芝居や映画作りは、何十人もひっぱりまわしてエライことになるんですが、でもそれが私のやり方。好きなことは止められない。

フレッド・アステアやジュディ・ガーランドとか、MGM映画のスター全盛の頃のミュージカルも大好きです。いつかアメリカ人が腰を抜かすようなミュージカルを作ってみたいですね。三味線が鳴っていて、都々逸を歌いながら着物を着て踊る、日本人ならではのミュージカル。

でも芝居よりもっと大事なのは落語です。「落語家辞めなさい」って言われたら、芝居は止めます(笑)。芝居は人生をかけた遊び、だから楽しい。落語家は私が選んだ人生。芸事も芝居も、いろんなことに触れ、たくさんの引き出しを持って、最後は落語で勝負していきたいなと思っています。

立川 志らくさん 写真

■プロフィール
1985年五代目立川談志に入門、95年真打昇進。落語家、映画監督、映画評論家、エッセイスト、昭和歌謡曲博士、劇団主宰と幅広い肩書きを持つ。6月に新宿紀伊國屋ホールで脚色・演出・出演の舞台『あした』を公演。現在、日本テレビ「アナ☆パラ」の月曜日コメンテーターとして出演中。

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