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ソプラノ歌手 幸田 浩子(こうだ ひろこ)さん

祈りの気持ちでホール全体が包まれるように、歌いたい

9月30日に赤坂・サントリーホールで「第17回 Kissポートクラシックコンサート」が開催されます。同公演の『レクイエム』(フォーレ作曲)でソプラノ・ソロを歌う幸田浩子さんにお話を伺いました。

――フォーレの『レクイエム』はどんな曲?

初演は1888年。フランス教会音楽の代表傑作ともいわれる作品です。レクイエムといっても死を悼む悲しみに満ちたものではなく、「天上の音楽とはこうなのでは…」と思わせてくれるような、透明感と安らぎに満ちた曲ですね。祈りの気持ちでホール全体が包まれるように、歌いたいと思っています。

――サントリーホールについては?

世界中の一流アーティストに絶賛される、素晴らしい響きのホールですよね。実は、学生時代にレナート・ブルゾンさんやジュゼッペ・サッバティーニさんといった第一線のオペラ歌手の方々から直接ご指導いただいたのが、ここサントリーホールのオペラ・アカデミー。私にとっては、オペラ歌手としての第一歩を踏み出したとても大切な場所なんです。

――コンサートをどういう気持ちで聴いてほしいですか?

私自身は、素敵な音楽を聴くと、心がやわらかくなるような気がします。聴きながら、愛しい人をもっと好きになったり、離れて暮らしている家族に明日電話してみようかな、と思いついたり、学生時代の友人を急に懐かしく思い出したり。コンサートホールというところは、大切なことに思いを馳せる空間であって欲しいなと思っています。もちろん曲に集中してくださるのも大歓迎(笑)。聴き方に決まりはありませんので、自由に、その方らしく聴いてくだされば、一番だと思います。

――クラシック音楽というと敷居が高いような印象がありますが。

「ナクソス島のアリアドネ」公演のようす 写真
2008年6月の東京二期会公演
「ナクソス島のアリアドネ」で
ツェルビネッタ役を演じる (撮影:三好英輔)

そんなに堅苦しいものではないんです。今日は野球を観に行こう、今日はお友達とおいしいものを食べに行こう、そういったことのひとつとして、今日は音楽会に行こうという日が、日々の生活の中に自然にあればいいなと思っています。この曲が好きだから、指揮者の方が格好いいから、このホールが気に入ったから、理由はなんでもいいんです。そうやって、自由に、音楽の楽しみ方を広げてくだされば、そして帰るときにそれまでとちょっと違う自分、「ああ来てよかったな」という何かを見つけてくだされば、嬉しいですね。

幸田 浩子さん 写真

■プロフィール
東京藝術大学を首席で卒業。同大学院およびオペラ研修所修了後、文化庁派遣芸術家在外研修員としてイタリアに留学、数々の国際コンクールで栄誉に輝く。国内外で幾多のオペラ公演に出演するほか、ミュージカルやテレビ番組にも出演、NHK-FM「気ままにクラシック」のパーソナリティとしても活躍中。最近では6月の東京二期会公演「ナクソス島のアリアドネ」のツェルビネッタ役で好評を博した。二期会会員。

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