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2010年5月号 二胡とチェロ、それぞれの魅力でつくり上げるひととき/チェリスト 唐津 健(からつ・けん)さん

7月に高輪区民センターで開催される『二胡とチェロのデュオコンサート~東洋と西洋の弦の出会い~』。出演者のおひとり、チェリストの唐津健さんにお話を伺いました。

――『二胡とチェロのデュオコンサート~東洋と西洋の弦の出会い~』について。

高輪区民センターで開催する今回のコンサートには、私自身、思い入れがあります。広尾や西麻布、芝などに住んでいたので、港区には地元意識に近いものがあるんです。地元への恩返しのつもりで、いいコンサートをお届けしたいですね。

東洋の弦楽器、二胡と、西洋の弦楽器、チェロという組み合わせは、今までにない感じで非常におもしろいです。演奏する側にとっても、スリリング。曲目の中にバッハの曲もありますが、自分が書いた旋律をまさか二胡で弾くなんて、バッハは考えもしなかったでしょうね(笑)。東京公演は今回だけですし、滅多にない組み合わせですから、ひとりでも多くの方に聴いていただきたいですね。

――二胡とチェロ、それぞれの楽器について教えてください。

どちらの楽器もギターのようなフレットがないので、耳を頼りに微調整しながら、自分で音程をつくっていくむずかしさは同じです。しかし、楽器の構造や音色感は全く違います。

蛇の皮を張った二胡の胴体は小さく、弦が2本。音域はバイオリンに近いですが、音の出し方や音程の取り方が全然違いますし、ビブラートも独特です。そして一番の特徴は、楽器から弓が取り外せないことでしょうね。弓の毛と、毛を張っている木の間に弦が挟み込まれている状態。弓を上に引っ張るようにして、弦の下側をこすって音を出します。ですから、チェロのように弓を大きく弾き抜くような、ダイナミックな演奏は構造上むずかしい。弓と弦が常に絡んでいるので、細かい音で華やかに飛び回るように弾く中国的なイメージの演奏をやはり得意としますね。

チェロは音域が広く、ソリスティックな演奏をすることもありますが、やはり低音部を支える縁の下の力持ちのような役割が大きいです。特に私の使っているものは、低音が深く響く楽器。チェロだったらどれも同じ音の高さに調弦されているはずなのに、音の深みや共鳴ぐあいが楽器によって全く違うんです。予備知識なしに一般の方に聴き比べていただいても、「いい楽器」の音はすぐにわかりますよ。

チェロでつくり上げた、空気を大きく揺らすダイナミックなベースの上を、二胡の華やかな音が舞うようにただよっていく。音色感は違いますが、いいコンビネーションですね。

――コンサートに来られる方にメッセージをお願いします。

二胡とチェロ、それぞれの魅力がひとつの曲をつくったときにどういう形になるか。トークも交えて、我々もお客さまも、一体となって楽しめるコンサートになると思います。クロスカルチャーな場所である港区で、東洋と西洋とが混ざり合ったインターナショナルな雰囲気を、ぜひ味わいにきてください。

唐津 健さん 写真
■プロフィール
桐朋学園高校音楽科卒業後、英国王立音楽大学に留学。その後、ボストン・ニューイングランド音楽院に進む。在学時より国内外で高い評価を受け、卒業後も、リサイタルの開催、メディア出演、CDリリースなど活躍の場を広げている。総務省管轄の(財)地域創造「公共ホール音楽活性化事業」登録アーティスト。
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