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2012年2月号 港区が舞台! 誰もが知っているあの組曲が楽しい音楽劇に/作曲家、マルチアーティスト 青島 広志(あおしま・ひろし)さん

『ペール・ギュント』といえば、グリーグの組曲が有名ですが、3月10日の『Kissポート財団15周年記念事業コンサート・青島広志とペール・ギュントの大冒険 港区版』は、ペールが港区から旅立つ、驚きの音楽劇。
「題名のない音楽会」「世界一受けたい授業」などのテレビ番組でもおなじみの青島広志さんに、どのような舞台なのかお話を伺いました。

――どのようなお話なのでしょうか。

『ペール・ギュント』は、19世紀に劇作家イプセンが書いた物語です。
故郷から旅立ったペールが、各地を遍歴して戻ってくると、自分のことを好きだった女の子がお婆さんになって待っていてくれて、ここが自分の安住の地だとわかる、というお話です。
私の舞台では、行く先々でペールを守る女の子、魔女のように翻弄する女の子が登場し、魔力で海が嵐になるスペクタクルな演出もあります。

この物語を題材に選んだのは、港区でのコンサートに一番合うと思ったからです。港区で生まれた人が、別の場所に住んだり海外に行くかもしれないけれど、最後はまた港区に戻ってきて欲しい、という思いがあるし、港区には海がありますから、港から出航するお話は似合います。

――港区が舞台に登場するんですね!

私の音楽劇は、場所にあわせて題材を選び、構成も工夫します。
港区版ということで、実際の地名や「東京タワーが見えてきた」というセリフが入ったり、「山の魔王の宮殿にて」のシーンでは、魔女に六本木の巣窟につれて行かれたり。もし渋谷区でやる渋谷版なら、ハチ公の銅像つながりで『幸福の王子』、豊島区なら生き物が多いので『ジャングルブック』にするとか。
私の頭の中にはやりたい事がたくさんあるので、どんな物語を組み合わせたら面白くなるか、常に考えているのです。

――物語と音楽が深く結びついた構成ですね。

私はもともと、物語を作りたい人間だったのです。小説や絵を描き、マンガ家にもなりたかった。マンガには絵と物語がありますが音楽はありません。アニメにはすべてがあっても、全部一人で作れるわけではありません。そこで考えたのがオペラです。オペラには曲も物語も舞台の演出もあります。ただ、イタリアで作られた大人向けの芸術ですから、小さいお子さんはあまり楽しめません。そこでわかりやすい舞台を作ることにしました。過去に作られた素晴らしい物語を膨らませ、古今東西の名曲をたくさん入れ、ピアノ一台で伴奏するコンパクトな編成にした新しい音楽劇です。

――公演が楽しみです。

会場となるサントリーホールの小ホールは、お客さまと演奏者の距離が近く、息を吸う瞬間までわかってしまう怖さもありますが、今回、一緒に出演する歌手の方々は、演劇的にも素晴らしい表現ができる人たちです。一人でも多くの人に、来ていただきたいですね。

青島 広志さん 写真
■プロフィール
1955年東京生まれ。
東京藝術大学、大学院修士課程を首席で修了。
作曲作品は200曲に及ぶ。ピアニスト・指揮者としての活動は35年を超え、コンサートやイベントのプロデュースも数多くこなす。
東京藝術大学、都留文科大学講師。日本現代音楽協会、作曲家協議会、東京室内歌劇場会員。
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