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ふれあいコラム

今、話題の人物をクローズアップ!
セルゲイ・マーロフさん(弦楽器奏者)

弦楽器奏者

セルゲイ・マーロフ さん

音楽を通して、想いを届けたい

ヴァイオリンとヴィオラのソリストとして、世界中で演奏活動をされているセルゲイ・マーロフさん。10月5日、高輪区民センターで『ヴァイオリン&ヴィオラリサイタル~パガニーニの軌跡を求めて~』が開催されます。音楽との出会いや日本の思い出等を伺いました

音楽を始めたきっかけは?

まずは何といっても家族の影響ですね。両親ともに音楽家です。6歳でヴァイオリンを始めました。そして音楽そのものに惹かれてしまったということに尽きます。音楽家になろう!と本格的に考えたのは国際コンクールで優勝したときのことです。まだ14歳でしたね。

学生時代を過ごしたモーツァルテウム大学の思い出を聞かせてください。

トーマス・リーブル氏との出会いが、ヴィオラを始めるきっかけになりました。最も感銘を受けた音楽家のひとりで、彼と出会っていなければヴィオリストとして活動をすることはなかったでしょう。学校のあるザルツブルクはモーツァルトやカラヤンが生まれた街です。偉大な歴史を持ち、美しい自然に囲まれ、演奏家で溢れています。あの頃は日々たくさんのことを学びました。自分にとってのクラシック音楽の在り方はほとんどモーツァルテウム時代に形作られたと思います。

デビューリサイタルはおいくつの時だったのでしょうか。

11歳の時に、父と共演したのが僕のリサイタルデビューです。とにかく興奮して、楽しんだことを覚えています。

音楽家として活動する中で大切に考えていることはありますか?

聴いてくれる皆様の心の中に喜び、思考、感情を届けることでしょうか。音楽というのは本当に強力なコミュニケーション手段だと思います。

プログラムのコンセプト、そしてパガニーニへの想いについて、ぜひお伺いしたいです。

パガニーニは、常にインスピレーションを与えてくれる19世紀最大の音楽家です。彼に敬意を表したプログラムを実現させることは長年の夢でした。今年、岩崎さんとここ日本で演奏できるのを今から楽しみにしています。

日本にまつわる思い出はどのようなものがありますか?

東京国際ヴィオラコンクールは僕の背中を強く押してくれる出来事でした。ヴィオリストとしてのキャリアを築いていく上でも決して忘れることはできません。それにプライベートも楽しい思い出ばかりですよ!去年の来日では、自転車で思う存分京都散策を楽しみました。六本木ヒルズのバーで飲んだ日本のビールもおいしかったですね(笑)。東京と京都で演奏しましたが、どちらも素晴らしいホール、美しい街でした。

共演する岩崎洵奈さんはどんなピアニストですか?

人柄も素敵ですし、何より素晴らしい技量と実力を持ったピアニストです。岩崎さんは膨大なクラシック音楽の知識に裏付けられた、柔らかい感性を持った演奏家です!彼女と演奏していると、その場その場で生まれてくる音楽に言いようのない興奮と喜びを覚えます。

お客様へメッセージをお願いします!

今回、高輪での演奏が特別な体験になることを、そして皆さんに音楽が浸透して僕と一緒に楽しんでもらえることを願っています。

プロフィール

セルゲイ・マーロフさん

セルゲイ・マーロフ
サンクト・ペテルブルグの音楽一家に生まれる。ヴァイオリンとヴィオラふたつの楽器で各国の国際コンクールを席巻した若き俊英。日本では「ヴィオラスペース」での活躍で知られる。ヨーロッパを中心に、世界各地の著名なオーケストラとの共演、主要なコンサートホールに出演する等、頭角を現している。現在、ベルリン在住。