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レトロ・ニッポンに会える場所 港区近代建築めぐり 第1回 協働会館

レトロ・ニッポンに会える場所 港区近代建築めぐり 第1回 協働会館
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第1回 協働会館

第1回 協働会館

明治から昭和初期の戦前に建てられた「近代建築」をめぐる新シリーズ。
日本の伝統的な工法や意匠、それを支える職人の技術と、西洋の建築様式・意匠・技術が融合していった時代の、魅力あふれる建物たちを訪ねます。

人々の交流の場として栄えた華やかな芝浦花柳界の象徴

協働会館写真 撮影:十代田 知三
【建物DATA】
協働会館
建築年:1936年(昭和11年)
棟梁:酒井久五郎(一八九八~一九九三)
建築面積:223m2
延床面積:442m2
階数:二階建て
構造:木造在来軸組工法(屋根部分トラス構造)

江戸時代、有名な漁村として栄えた芝浦。明治から大正時代にかけて埋め立て工事が進み、工業地区として成長するのと同時に、鮮魚を売りにした料亭街としても栄えていきます。特に芝浦一丁目付近は戦前まで、都内でも有数の花街でした。

現在「協働会館」と呼ばれている建物は、芸妓の取次ぎをした三業(料理屋、置屋、待合茶屋)組合の事務所である見番(けんばん)として1936年(昭和11年)に建てられました。
施主(せしゅ)は、芝浦に住み、花柳界に深く関わる三業組合の組合長だった細川力蔵氏。同氏が創設した雅叙園(がじょえん)(目黒区)の建築も手がけた棟梁・酒井久五郎氏設計の、贅を尽くした近代和風建築です。

木造二階建て、延べ床面積約440平方メートルの建物は、一階は芸妓の取次ぎや清算を行う事務所、二階は芸妓たちが踊りの稽古に日々励んだという舞台付きの百畳の大広間と楽屋でした。

戦中に花柳界が疎開したため、見番として使用された期間は短いものでしたが、その後、隣接する元待合や料亭と共に港湾労働者の宿泊所となります。
戦後は、東京都港湾局管理のもと、「協働会館」と名を変え、大広間が集会所として貸し出されました。舞踊の会に使われるなど、地元住民にはなじみ深い場所となりました。

大胆な構造と細かな細工は西洋と日本の建築技法の賜物

唐破風/卍崩し/擬宝珠 イラスト

近代木造建築の技術と意匠を取り入れた「協働会館」は、近代和風建築として大変貴重な建築物です。
現在は外観も含めて老朽化が進み、立ち入りできなくなっていますが、本来は、当時の華やかな芝浦花柳界の賑わいを象徴する、贅沢で豪華な造りの建築物です。

まずは玄関の唐破風(からはふ)。中央部が弓形で左右両端が反りかえった曲線状の破風で、江戸時代までは神社仏閣にしか許されていなかった様式です。
玄関を開けるとモダンなタイル敷きの玄関ホールがあり、その奥には卍崩しの引き扉、左手には緩やかな曲線を描く階段が続き、手すりの親柱には擬宝珠(ぎぼし)が付けられています。

階段を上っていくと見えてくる天井は、平安時代以降の仏堂に見られる梁・桁の下に格子を組む格(ごう)天井で、目黒雅叙園では同様の天井に絵をはめ込んでいます。
そして二階の大広間へ。七十畳の大広間と約三十畳分の舞台には柱が一本もありません。
その秘密はトラス構造で組まれた屋根。鉄橋などに見られるこの西洋の技術が、柱のない大きな空間を可能にしています。
細やかな細工が施された格子窓や建物の全面にある窓ガラスの縁取りには、隅々まで和風の意匠が凝らされ、珍しい南洋材など貴重な海外の材木も使われています。

歴史的建造物を新しい形で地域住民の憩いの場に

老朽化のため、2000年(平成12年)に閉鎖され、一時は取り壊しが決まりましたが、それ以前から「花柳界の文化を伝える歴史的建造物を残したい」という地元住民や有志によって「芝浦・協働会館を活かす会」が結成されるなど、保存・活用運動が始まっていました。
紆余曲折を経て、都と区による耐震性などの調査が行われ、2009年(平 成21年)に東京都港湾局から港区へ建物の無償譲渡、土地の無償貸付が決定しました。
同年10月に港区の有形文化財に指定され、現在、修復の準備をしています。

現在、「協働会館」には保護用のネットが掛けられ、立ち入ることはできませんが、数年後には再び芝浦の名所として、新しい形で住民に愛される場所となるでしょう。

14年前へタイムスリップ

協働会館写真

1997年頃の写真。「協働会館」の左右には元待合の建物もありました。
周辺には合わせて5棟の元待合があり、いずれも港湾労働者の宿泊所として転用されていました。
火災や老朽化のため、現在、「協働会館」以外の建物は全て取り壊されています。

「協働会館」豆知識

協働会館 平面図
屋根はトラス構造 現在の姿は…
トラス構造説明イラスト

三角形を基本形としたトラス構造は、外力がかかったときに強い構造体の形式の一種。部材の接点がピン接合(自由に回転する支点)となっていて、鉄骨屋根や木造屋根の架設に用いられます。
三角形は接点が外れなければ、力が加わっても変形しにくい。

協働会館写真

文化財を守るため、フェンスで囲われネットが掛けられています。今のところ使い道は未定ですが、現在、修復の準備を進めているそうです。

◆協働会館

協働会館地図

東京都港区芝浦1-11-16
JR田町駅より徒歩約7分
都営地下鉄三田駅より徒歩約8分

写真提供:芝浦・協働会館を活かす会、十代田知三氏、港区立港郷土資料館  
参考文献:芝浦・協働会館を活かす会著「協働会館-華やかなりし花柳界の面影を伝える近代和風建築」
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