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港区探訪

一度は訪ねたい 港区のアート&施設

第3回 東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム

東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム 鯨ギャラリー写真

骨格はまさにアーティスティック。鯨ギャラリーでは、見る位置・方向を変えると、骨格のさまざまな表情を楽しむことができます。

もっと知りたくなる海の神秘

国立大学である東京海洋大学。2003年10月に東京商船大学と東京水産大学が統合した大学で、「海を知り、守り、利用する」ための教育研究を行っています。アートを探して、港区港南にある品川キャンパスへ。マリンサイエンスミュージアムを訪ねました。

東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム 館内写真

コククジラの胸ビレ。
鯨の種類によっては人間の手と同じ5本の骨が確認できます。

鯨の骨が雄弁に語りかけてくる

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東京海洋大学の正門をくぐり、100メートルほど進んだ左手に見えてくるのが鯨ギャラリー。中には何やら大きな白いものがあるようです。

ドアを開けて入ってみると、空間いっぱいに鯨の骨格標本が展示してあります。向かって左はコククジラ、右はセミクジラです。骨の内側に回り込んでみると、子どものころに読んだ「ピノキオ」のゼペットおじいさんを思い出しました。実際に鯨に飲みこまれるのは恐ろしいことですが、ここでは鯨に包み込まれているような安らぎさえ感じます。

解説を読んでみると、アジア系コククジラ雌の大人の骨格標本としては世界で唯一のものだとか。貴重なものなのですね。

細部を観察すると、人間の手のような骨を発見。鯨が水中に住むようになって、歩く必要が無くなったので、前脚が退化し胸ビレに変わったそうです。指のような骨格を見ていると愛着がわいてきました。

東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム 館内写真

南極観測時に採集されたペンギンやアザラシの剥製(はくせい)。

海は広い、深い、おもしろい

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鯨ギャラリーを出て左へ進み、建物の角を左に曲がるとマリンサイエンスミュージアムが見えてきます。

1902年3月、農商務省水産講習所の越中島校舎に標本室として誕生したのが始まりです。その後、戦争や災害等で資料が失われるなか、1957年4月、東京水産大が現在地に移転し、水産博物館として標本類を収納。2016年1月にマリンサイエンスミュージアムという呼称でリニューアルオープンしました。

展示のテーマは「海へのいざない」。1階エントランスには、練習船「雲鷹丸」の模型や、実際に使用されていた道具等が展示されています。2階は生き物から食品まで、幅広いジャンルの展示です。順路に沿って見学しましょう。

東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム 館内写真

学術的に分類された海の生き物は、標本、剥製(はくせい)、模型で展示されています。

海を知るコーナーでは、歴代の練習船や南極観測時の資料が。南極観測船「宗谷」が氷に閉じ込められたとき、節水するようにと命じた船長の書は、臨場感にあふれていて感銘を受けました。海の構成員のコーナーでは、海の生き物をウミガメ、魚類、海鳥、甲殻類、鯨類海産哺乳類、無脊椎動物の7つのグループに分けて展示されています。他には、牡蠣や海苔の養殖に使用する道具や、缶詰や鰹節等の水産加工品の展示もあります。

さらに進むとレファレンスルームがあります。シャチの骨格標本が展示されていますので、じっくり観察しましょう。

東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム 館内写真

レファレンスルームでは、静かな時間を過ごすことができます。

海は、私たちの生活とは切っても切れない関係にあるのですね。もっと海について、深く知りたくなりました。見学は自由ですが、ガイドをお願いすることもできます。友人同士のグループ、学校単位でも申込み可能。必ず予約が必要です。詳しくはお問い合せください。

東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム 展示物写真

❶ 魚類の展示ではマンボウの剥製(はくせい)も。 ❷ カラフルな海藻押し葉作品。もちろんすべて天然の色。 ❸ 一枚貝、二枚貝、巻貝等、知っている貝を探してみて。 ❹ 学生が実習授業で製作したまぐろ油漬、さば水煮は学園祭で販売されます。

「海の日」記念行事を開催します

海に親しみ、興味を持っていただきたいと、毎年開催しているイベントです。「海と超電導」、水産養殖と水耕栽培の融合「アクアポニックス」等、東京海洋大学が行っている最先端の教育研究活動の紹介もあります。

日時:7月17日(月・祝)
10:00~16:00(開場9:30)

場所:品川キャンパス:港区港南4-5-7
※越中島キャンパス(江東区越中島2-1-6)でも同時開催。 品川キャンパス~越中島キャンパス~間に連絡バスを運行します。

問い合せ:東京海洋大学総務課広報室
TEL 03-5463-1609

東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム

東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム 写真

〒108-8477 港区港南4-5-7
東京海洋大学品川キャンパス内
TEL: 03-5463-0430
開館時間:10:00~16:00
(鯨ギャラリーは土曜日15:00まで)
入館料:無料
休館日:土、日、祝(鯨ギャラリー:日、祝)
※その他臨時休館あり