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港区探訪

ニッポン魂 港区の祭 第四回 豊穣に感謝する初秋の祭

ニッポン魂 港区の祭 第三回 夏の風物詩 盆踊り特集
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港区には、歴史ある「祭」がたくさんあります。
「ニッポンの魂 港区の祭」第四回では、
秋の訪れを感じる初秋の祭をご紹介します。


8月13日(金)
例大祭 幸稲荷神社

例大祭 幸稲荷神社 写真
例大祭 幸稲荷神社 写真
お参りする際は、手水舎で手を清めます。

御神体に一年の御礼と来年の抱負を伝える

東京タワーに程近い場所にある幸稲荷神社は、応永元年(1394年)に地域の鎮守として勧請されたと伝えられる神社。都内でも古くからある神社のひとつとされています。この地域は古くから交通の便がよく、多くの人々が往来していました。

御祭神の伊弉冉命(いざなみのみこと)は日本神話にも登場する神で、 生命の祖神、延命長寿の神として崇められています。一方、お稲荷様と称されている御祭神倉稲魂神(うかのみたまのかみ)は、五穀豊穣をつかさどる農業の神様です。今年は8月13日に、神々に一年の報告をする「例大祭」を行います。

お祓(はら)いをしたあと、本殿の御扉(みとびら)を開けて、奉仕している神職の手から手へと順にお供え物を渡していき、神様へ捧げます。
そして一年間、無事に過ごすことができた報告と御礼、次の一年間の平和をお祈りするのです。

叶えたい願い事に応じて“幸せ”を呼び込む

実は、昭和33年(1958年)に建てられた東京タワーの地鎮祭(じちんさい)などを行ったのが幸稲荷神社。
東京タワーの大展望台の2階にある、23区内で最も高い場所にある神社、タワー大神宮も幸稲荷神社が兼務しています。

商売繁盛や会社繁栄にご利益があるとされている幸稲荷神社には各方面の企業が崇敬(すうけい)し、タワー大神宮には恋愛成就や合格を祈る学生の姿も多いそうです。

また、幸稲荷神社には珍しい御祠石(みふくらいし)があります。この石に水を注ぎ心願すると、いかなる熱病も治ると伝えられています。また、子どもの夜泣きなどにも効果があると言い伝えられています。

古くは岸之稲荷と呼ばれ、氏子や信者に幸事が続いたため「幸稲荷神社」と尊称されるようになったという神社。
幸運を祈願しに、一度お参りに行ってみませんか。

幸稲荷神社 写真
御祠石に水をかけて祈ります。

例大祭の日程

幸稲荷神社 地図
8月13日(金) 10時~

幸稲荷神社(さいわいいなりじんじゃ)
港区芝公園3-5-27
TEL. 03-3431-8281
東京メトロ 神谷町駅より徒歩5分、
都営地下鉄 御成門駅より徒歩7分


9月22日(水)
大岡祭 豊川稲荷東京別院

大岡祭 豊川稲荷東京別院 写真
大岡祭 豊川稲荷東京別院 写真
六角形の建物が御廟。
ここに大岡越前公のご位牌が移されます。

豊川稲荷を江戸に祀った
大岡越前守忠相公(おおおかえちぜんのかみただすけこう)

江戸の町奉行だった大岡越前守忠相公は、人情味あふれる庶民の味方として現在も人気の高い名奉行。豊川稲荷東京別院では大岡越前公を偲んで、縁日の9月22日に「大岡祭」が行われます。

普段は本殿にある大岡越前公の位牌はこの日だけ、御廟(おびょう)に移され、御廟の前で法要が行われます。参列者は誰でもお焼香することができるので、名奉行だった大岡越前公にならって公明正大の精神を誓ってみてはいかがでしょうか。

しかし、大岡越前公は豊川稲荷とどのような関係があるのでしょうか。

豊川稲荷の総本山は、愛知県の圓福山妙厳寺(えんぷくやまみょうごんじ)にあります。江戸に移る前に、妙厳寺に帰依(きえ)していた大岡越前公は、枳尼眞天(だきにしんてん)の御分身を受け、江戸の自身の屋敷に豊川稲荷社を祀(まつ)りました。
明治20年頃になると、江戸火消役人の住宅地だったと言われていた現在の場所を、愛知県豊川の妙厳寺が求め、この場に奉遷(ほうせん)されて、豊川稲荷直轄の別院となったのです。

“食べること”への感謝の気持ちを忘れずに

“稲荷”と聞くと、狐を祀った神社のイメージがありますが、豊川稲荷では、インド信仰に由来する善神(ぜんしん)である枳尼眞天を祀っています。

鎌倉時代の禅僧、寒巖禅師(かんがんぜんし)は二度船で中国へ渡りました。日本への帰国の際、稲束を荷い手に宝珠(ほうじゅ)を捧げ白狐にまたがって、真言を唱える枳尼眞天が夢に現れたといいます。

寒巖禅師は、善神の姿を自らの手で彫り、護法(ごほう)の善神として祀りました。
その後、弟子によって妙厳寺に移され稲荷堂を建てたのが豊川稲荷の始まりといわれています。

枳尼眞天は五穀豊穣の善神。転じて商売繁盛、家内安全、芸道精進を叶えるとされています。
現代では当たり前になっている“食べること”が、私たちの身体を作り、仕事の原動力へとつながっています。
豊川稲荷の祭に参列してご本尊をお参りする際には、毎日食事できる幸せに、改めて感謝しましょう。

大岡祭の日程

豊岡稲荷東京別院 地図
9月22日(水) 11時~ 法要

豊岡稲荷東京別院(とよかわいなりとうきょうべついん)
港区元赤坂1-4-7
TEL. 03-3408-3414
東京メトロ 赤坂見附駅より徒歩5分


稲荷あれこれ

神社と寺院の「稲荷」は何が違うの?

「お稲荷さん」というと、神社と寺院のどちらを想像するでしょうか。京都の伏見稲荷大社を総本社とするのが稲荷神社。全国には6万社を超える稲荷神社があるといわれていて、今回ご紹介した幸稲荷神社もそのうちのひとつです。
一方、豊川稲荷は寺院。稲荷と名の付く寺院は、愛知県豊川稲荷をはじめ、全国でも数ヵ所しかないのだそうです。

稲荷神社の稲荷神は、伏見稲荷大社に鎮座する神で、日本神話に記載されている宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)をはじめ、穀物・食物の神を主祭神としています。
全国の稲荷神社は伏見稲荷から勧請(かんじょう)(神霊を分けてほかの神社に移して鎮祭すること)され、食物の神や農業、商業の神として祀られているのです。
一方、仏教では豊川稲荷の記事で紹介した枳尼眞天(荼枳尼天とも表す)を本地仏としています。

古事記では宇迦之御魂神と表記されています。

稲荷神社に必ずいる狐はどんな存在?

稲荷神社の狐 写真

神話の時代から狐は神聖な動物とされ、特に白狐は神の使いと考えられていました。
一方、本来の狐の色は稲穂の色と一緒だから縁起がよいという説もあります。

ただ、油揚げをお稲荷さんにお供えする理由については、未だにわかっていません。狐の好物が油揚げというのも迷信なのだとか。
ちなみに、稲荷寿司は米俵を表していて、豊作を祈ってお供えするという説もあるそうです。

次号は港区で行われる珍しい秋の祭を特集します。お楽しみに!

取材強力/幸稲荷神社、豊川稲荷東京別院

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