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一度は訪ねたい 港区のアート&施設一度は訪ねたい 港区のアート&施設

第5回 赤坂サカス

赤坂サカス「四季樹木図」千住博

時空を超えた風を感じるアート

赤坂5丁目エリアが再開発され、2008(平成20)年3月20日にオープンしたのが「赤坂サカス」。TBS放送センター、Sacas広場、赤坂BLITZ、赤坂ACTシアター、赤坂Bizタワーなどの施設があります。さて、アートはどこにあるのでしょうか。

壁一面に広がる日本の四季

東京メトロ千代田線「赤坂」駅の一ツ木通り方面改札から赤坂Bizタワーへ向かうエスカレーターを上るとき、左手の壁から得も言われぬエネルギーを感じます。それが「四季樹木図」です。

高さ8m、幅24mの大迫力。世界で活躍している日本画家、千住博さんの作品です。ニューヨークのアトリエで制作された1.6m×6mの原画を滋賀県・信楽へ運び、88ピースの陶板に焼き付けました。描かれているのは日本の四季。春は桜、夏は竹林と天野川、秋はイチョウ、冬は森の樹木です。

近づいてじっくり見てみると、その筆遣い、勢い、繊細な色調に心を奪われます。風が吹いて、木々の枝が揺れているのではないかという錯覚を起こしそうになりました。桜の花びら、竹のしなり具合、イチョウの葉、樹木の佇まい、どこを切り取っても同じ色、形のものは見当たりません。それぞれには迫力があり、主張を感じるものの、全体を見渡すと穏やかな気持ちになっていくのがわかります。言葉で説明をされなくても、自然を感じる心が壁画と呼応し、癒されるのでしょうか。

ひろば写真

ひろばでは、季節により、さまざまなイベントが、
劇場ではミュージカルや演劇などの公演が行われています。

日本三大桜の一つ、三春滝桜の子孫

春に描かれている桜、実は福島県三春町の枝垂れ桜がモチーフなのです。エドヒガン系の紅枝垂桜(ベニシダレザクラ)で、大正11年10月12日に国の天然記念物の指定を受けた名木。日本三大桜の一つに数えられています。樹齢は1,000年以上といわれていて、三春滝桜と呼ばれ親しまれています。

その子孫樹がエリア内に植えられているのです。陶板の三春滝桜を楽しみ、地上へ向かうLEDビジョンの階段「メディアステアーズ」を進んだ先に、三春桜があります。時空を超えて楽しむ“桜”も趣がありますね。

三春滝桜の子孫樹写真

福島県三春町の「三春滝桜」の子孫樹「三春桜」。
春には三春町と同じように美しい花を咲かせてくれます。

陶板の三春滝桜 写真

春は満開の三春滝桜、夏は竹林と空に横たわる天の川、秋は錦色に輝くイチョウ、
冬は来る春を待ちながら静かに眠る森の樹木が描かれています。
高い技術により、繊細さが陶板に再現されているのだそうです。

四季の移り変わりを楽しんで

赤坂サカスは、オフィス、商業施設である「赤坂Bizタワー」、文化施設である「赤坂BLITZ」、「赤坂ACTシアター」などの劇場、都心生活を満喫できる賃貸住宅、「Sacas広場」など、「職・住・遊」の機能が融合した新しい形態の複合施設として再開発されました。その名前には、 “桜を咲かす”という意味、赤坂にたくさんある坂という意味、三分坂、薬研坂などたくさんの坂で「坂s」、ローマ字表記「akasaka Sacas」を後ろから読むと「SACA・SAKA・SAKA」=「坂・坂・坂」などの意味が込められています。約52,800m³、約1万6,000坪の広さの敷地には、染井吉野、河津桜など、およそ100本の桜が植えられています。開花時期が異なるため、2カ月もの間、楽しむことができるそうです。

季節により、さまざまな美しい姿を見せてくれるこのエリアに「四季樹木図」はあります。エスカレーターで上がるときには自然界と同じ春、夏、秋、冬の順番で、下りのときは逆の順番でと、まるで時間旅行をしているかのような体験ができます。絵が、木々が発する声に耳を傾けてみてください。

赤坂サカス

港区赤坂5丁目

Message from Hiroshi Senju

赤坂サカス壁画「四季樹木図」に寄せて

現代日本の情報の発信地の会社がいくつも入ったビルの地下の壁画を依頼され、私は四季の風景を描こうと思いました。
日本文化に無尽蔵の情報を与えてくれていた「自然」を現代人も忘れてはいけないと思ったからです。

私達の身の回りの四季から、紫式部は1000年前に「源氏物語」を産みだしました。
紫式部は全ての心理描写を四季の光景に託したのです。
春の桜に心のざわめきを、 夏の竹に心のゆらぎを、秋のイチョウに無常感を、そして冬の木立に人生の儚さを託しました。

そのさらに数百年前、空海や親鸞の乗った遣唐使船は、天空に輝く星々に航海の導べと して命を託したのです……。

とても大きな作品でしたから、私は原画を見ながら電動リフトに乗って、ヘルメットを被り、この絵を描きました。
陶板に焼き付けるのは、現代日本の先端技術です。
この様子を紫式部や空海が見たら、日本画も随分進んだな、と笑ったことでしょう。

千住博 写真

千住博(せんじゅひろし)
日本画家。東京都生まれ。東京藝術大学大学院修了。2007~2013年京都造形芸術大学学長。1995年ヴェネチア・ビエンナーレ名誉賞。2016年薬師寺「平成の至宝」に選出され、同収蔵。大徳寺聚光院全襖絵114面公開。外務大臣表彰受賞。2017年ニューヨーク・メトロポリタン美術館常設展示。同年イサム・ノグチ賞受賞。

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