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![]() 江戸の心を受け継ぐ、芝落語会
「芝で生まれて神田で育ち」と言われるように芝は江戸っ子の心の故郷。その芝で30年の歴史を持つ「芝落語会」の永井さんにお話を伺いました。 中学生の頃、三代目桂三木助さんの「芝濱」をラジオで聞き、落語の魅力に取りつかれた永井さん。東京女子学園で教壇に立たれていたときも、歴史の授業に落語のテープを活用なさっていたそう。「落語は高座と客席との共同作業。授業も教師が一方的に話すのではなく、生徒と一体となって作り上げていく。落語に通じるところがありますよ」 地域寄席である芝落語会は、噺家や場所の手配も自分たちで行います。立派なホールを借りる時もあるけれど、寿司屋や蕎麦屋、身近な場所に集まって聞くことも。「明治時代後半の芝には寄席が16もありました。近所で気軽に楽しむという点では、寄席の原点に近いのかもしれません」 昭和53年、協働会館(旧芝浦見番)の「初春特選落語会」は今でも語り草。三遊亭圓生さん、古今亭志ん朝さん、立川談志さん、三遊亭圓楽さんらそうそうたる師匠を人力車でお迎えし会場へ。いざ高座に上がれば、お客である会員たちは全員和服を着ていたとか。芝落語会ならではの粋と洒落に、圓楽さんが志ん朝さんに「今日の客は雰囲気が違うよ」と言われたそうです。 ![]() 『お若伊之助』を演じる三遊亭圓生さん (初春特選落語会) 一番人気の演目は、やはり「芝濱」。海岸線は遠のき、本芝公園近くのガードに「雑魚場 (ざこば)」の名が残るのみですが、「芝濱は江戸の人情がいいんですよ」と永井さん。風景は変わっても、江戸の心は受け継がれているようです。 芝落語会は、噺家を呼んで落語を聞くだけでなく、地域の歴史や風土を探ってきました。落語の舞台を歩く「落語名所めぐり」や落語と落語にちなんだ講演会「港区落語地図」では、永井さんご自身も舞台背景を説明なさることもあるそう。「実際に歩いて、講演会を聞いてみて、落語がもっと楽しめる。落語を聞いて地域への理解が深まる。そういう掛け算でいきたいよね」。落語と芝を愛してやまない永井さんに、江戸っ子の粋をかいま見た気がしました。 芝落語会 |
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