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キスポート財団設立30周年記念インタビュー ♯4 ー 支える・つなぐ・ひらくー

その他
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2026/08/05 ~ 2040/07/05

更新日:2026/11/02

この仕事を志したきっかけ

---この仕事をしようと思ったきっかけについて教えてください

藤崎さん(みなと芸術センター 開館準備室職員)
みなと芸術センター 開館準備室の相馬千秋プログラム・ディレクターとの出会いが、きっかけでした。
大学1年生のとき、相馬プログラム・ディレクターがプロデュースした作品に触れ、それまでの「楽しむための芸術」というイメージだけでなく、社会や人のあり方を問いかける芸術の面白さを知りました。その経験から、舞台芸術の仕事に関わりたいと思うようになりました。
その後、大学院の時に、インターンとしてみなと芸術センター整備に向けたプレ事業に参加し、地域の人たちと出会う中で、公共劇場は作品を届けるだけでなく、人や地域をつなぐ場でもあると実感しました。
もともと人と関わることが好きなので、さまざまな人が集まる劇場に関わりたいという思いが強くなり、ご縁もあって開館前からこの仕事に携わることができています。

宮崎さん(みなと芸術センター 開館準備室室長)
もともと驚くことや楽しいこと、ワクワクすることが好きで、学生時代は、音楽や演劇活動もしていました。
その中で、自ら演じるのではなく、表現者たちを支えたり活躍できる場をつくったりする仕事をしたいと思い、劇場運営、アートマネジメントの道を選びました。人を楽しませたい、面白がらせたいという気持ちが根底にあるので、今でも劇場では舞台そのものよりお客さんの表情を見ているんですよ。

宮崎刀史紀(みなと芸術センター 開館準備室室長)

出会いのきっかけを生み出す、開館準備の現場から

---現在、開館準備の最中だと思いますが、どのようなお仕事をされているのでしょうか?

藤崎さん
主な仕事は、みなと芸術センター整備に向けたプレ事業で実施しているワークショップやイベントの企画・制作です。実施に向けて、アーティストや外部ゲスト、専門家の方々との調整、スケジュール管理、参加者募集に向けた広報物の作成などを担当しています。

宮崎さん
今は本当に幅広いことをしています。建物ができればすぐに開館できるわけではなく、施設の運営に関わるあらゆる準備が必要です。事業の企画はもちろん、貸し出しの仕組みづくり、広報、舞台技術のあり方、地域との連携、さらには空調や電気など設備面を含めた施設管理の方法まで、一つひとつ考えながら準備を進めています。

---最近の仕事の中で、「この仕事らしいな」と感じた出来事はありましたか?

藤崎さん
プレ事業を通して出会った方から「みなと芸術センターのプレ事業に参加したことをきっかけに、社会人学生として大学の公開授業に参加するようになった」というメールをいただきました。
その方は、数年前から継続的にプレ事業のイベントやワークショップに、参加者としてだけでなく時にはスタッフとしても関わっていただいています。「もっと学びたい」というきっかけが、私たちとの関わりの中で、生まれたことはとても嬉しいです。もちろん、全員に同じことを望んでいるわけではありませんが、20人、30人の参加者の中で1人でも「新しい一歩を踏み出せた」と感じる人がいたら、それだけでこの仕事をしていてよかったと思います。

藤崎春花(みなと芸術センター 開館準備室職員)

宮崎さん
この仕事らしいなと思うことは二つあります。
一つは、あまり表に見えない準備の仕事です。例えば、コンセントの位置や高さをどうするか、館内サインをどの場所にどんな大きさで設置するか、といったことを延々と議論しています。使う人は気にしなくても、誰かが考え抜いてこうなった、というのが結局使いやすさにつながってたりするんではないかと思っています。
もう一つは、先日開催した「m~mこねこねミーティング」での地域の方との対話です。「浜松町までは遠い」「もっと自分の地域でもやってほしい」といった率直な声をいただきました。そうした声を受け止めながら、「この施設をどうしていこうか」というのをちょっとずつ考え直していく、その過程そのものがこの仕事らしいかなと思います。

出会いがつながり、つながりが場をつくる

---プレ事業ではどのような出会いやつながりが生まれていますか?また、開館後にはどんな広がりを期待していますか?

藤崎さん
プレ事業では、主に戯曲を読む連続ワークショップや参加者自身がリサーチャーとして調べ物をする活動、様々な劇場に多様なジャンルの舞台芸術を一緒に観劇しにいく活動など、参加者自身の主体性を大切にするような企画を行っています。その中でアーティストは参加者に対し何かを“観せる人”としてではなく、参加者と伴走するファシリテーターやナビゲーターとして同じ時間を過ごします。
アーティストに対して、「自分とは違う特別な人」というイメージを持っている方も少なくないと思いますが、実際に気軽に話せたり、一定期間一緒に活動したりすることで、その距離がぐっと近くなるんです。肩書きを超えて、人と人がつながっている感覚があります。
開館後には、m~mは一度に多くの方々が訪れる場所になりますが、それでも、個人が個人として出会い、顔が見えるという感覚を持っていただくことは忘れないようにしたいと思っています。

宮崎さん
少し補足すると、みなと芸術センターは、当然ながら、施設や職員だけでは何も完結しない場所なんです。
誰かと一緒に何かをつくる、楽しんでもらう、関わってもらう、そうしたことで初めて成り立ちます。だからこそ、出会いやつながりがなければ始まりませんし、続いてもいきません。

どうすれば面白い出会いとかつながりを招けるか。それが肝かなと思っています。
「そんな人も劇場に来るの?」「そんな組み合わせが生まれるの?」という“予想外の出会い”を、特に若い世代には自由に発想してもらいたいと期待しています。

可能性をひらき、つながりを育てる10年後へ

---10年後、どんな仕事をしていたら面白いと思いますか?

藤崎さん
個人的には、一つの役割に縛られず、幅広く動ける人になっていたいです。 仲間や知り合いも増えていると思うので、予想外の人たちをつなげて新しい表現や価値をつくれる人になりたいです。

---10年後、「みなと芸術センターm~m」が、どんな場所になっていたら嬉しいですか?

藤崎さん
新しいことを始めるきっかけが生まれる場所になっていたら嬉しいです。
「自分ってこんなことを考えていたんだ」とか 「こんなことにも興味があったんだ」とか、そんなふうに、自分自身と出会い直せる場所ですね。

だからこそ、楽しいときや元気なときだけではなく、少し気持ちが落ち込んでいるときでも、何か目的がなくても足を運べる。そんな劇場であり、居場所でありたいですね。

宮崎さん
この「場所」を育てていくことは、もちろん大事なことですが、「人」も育てていくというのができたらいいなと思っています。観客、貸りる人、舞台に立つ人、支える人...どんな形でも関わった人が何かを見つけたり、人生が豊かになったと感じられるような場にしたいです。 この場所をきっかけに成長した人が、港区内にとどまらず世界中で活躍しm~mにまた新しい出会いをもたらしてくれる、そんな場所になったらいいですね。


「みなと芸術センターm~m」公式SNS

【ホームページ】https://www.minatoartscenter.jp/
【Instagram】https://www.instagram.com/minatoartscenter/
【X】https://x.com/minatoarts_mm
【Facebook】https://www.facebook.com/minatoartscenter.mm

みなと芸術センター 開館準備室

住所:東京都港区芝5丁目28−4 旧三田図書館 4階
電話番号:03-6809-3631
※開館準備業務は、みなと芸術センターの指定管理者である共同事業体「みなと文化パートナーズ」が行っています。
(代表団体:公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団、構成団体:サントリーパブリシティサービス株式会社)

港区立みなと芸術センターm~m
2027年11月開館予定

建設地:東京都港区浜松町二丁目3番5号

🟧みなと芸術センター整備に向けたプレ事業
開館準備室では2027年11月の開館に向けて様々なプレ事業を展開しています。ワークショップやサークル活動のような企画を通して、地域に親しまれる芸術拠点づくりを目指しています。

🔸「m~mこねこねミーティング」

地域住民や文化芸術に関心のある人々とともに、新施設の可能性や活用のアイデアを一緒に「こねて」語り合うミーティングを区内各地で開催しています。

🔸「みなとリサーチコレクティブ」

各リサーチャーが港区の文化や歴史、地理、地域課題などについて調べ、深掘りし、多様な視点からの気づきを共有する集まり。2027年2月には成果発表会を行います。

🔸「『曾根崎心中』をよむ ―ろう者と聴者が出会うリーディング・ワークショップ」

木ノ下歌舞伎主宰の木ノ下裕一さんをナビゲーターに迎え、近松門左衛門の代表作『曾根崎心中』を中心に読み進めるリーディング・ワークショップ。今年度はろう者と聴者が同じ場に集い、同じ作品を共有するなかで生まれる、さまざまなちがいを見つめながら、それぞれの「よむ」ことを深めます。

🔸「みなとアクティブ・オーディエンス・コミュニティ」

港区内の文化施設を集団で訪れ、開催される公演や展覧会の鑑賞、施設の見学を行い、参加者やナビゲーターと共に体験を共有するゆるやかなコミュニティ。 鑑賞・見学後には交流会を行い、ナビゲーターやゲストが作品や施設について解説するほか、参加者がそれぞれの体験や感想を共有します。

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