キスポート財団設立30周年記念インタビュー ♯6 ー 支える・つなぐ・ひらくー
更新日:2026/11/02
---キスポート財団 スポーツ事業課(以下:スポーツ事業課)の一日はどのような流れですか?
宮川さん(スポーツ事業課 課長補佐)
例えば夏休み中のラート教室やトランポリン教室の日ですと、朝7時半には出勤します。まず会場のモップ掛けのあと、机や椅子並べ、受付や案内看板を設置して会場運営を行います。その後、講師の方と当日の流れを確認します。
---想像以上に現場作業が多いですね。
中村さん(スポーツ事業課 職員)
そうなんです。教室自体は9時から始まるのですが、その前に準備がたくさんあります。
90分1コマで、午前2コマ、午後1コマ、1日3教室くらい行うことが多くて、それが終わると片付けをして、ようやく事務仕事です。
---イベント当日だけでなく、その前の準備もありますよね?
宮川さん
企画・調整・広報・参加者対応と進めていき、スムーズ且つ安全に当日運営ができるよう準備をしています。子どもからご高齢の方まで、さまざまな方が参加されますし、最近はパラスポーツなど障がいのある方と一緒に楽しめる事業も増えています。
さまざまなニーズのイベントや参加者に対応できるよう、私たち自身がしっかり準備し、且つ知識を身につけておくことが大切だと思っています。
---スポーツ事業課の皆さんは資格取得にも積極的だそうですね。
宮川さん
はい。私はサービス介助士の資格取得やパラスポーツメイトの養成講座を受講しました。
中村さん
私は初級パラスポーツ指導員の資格とラジオ体操指導員を取得しました。参加者の皆さんに安心してスポーツを楽しんでもらうために、学び続けることも仕事の一つだと思っています。
夏の最大の敵は「暑さ」
---現在感じている課題などはありますか。
宮川さん
夏の暑さですね。参加者の安全はもちろんですが、自分たちや運営スタッフも熱中症にならないようにしなければいけません。特に野球場やグラウンドは地面の温度が60度近くになることもあります。
---対策していることはありますか?
宮川さん
大会を二部制にしています。高校野球と同じように二部制にして午前と夕方に分けて大会を開催したり、扇風機や氷を準備したり、水まきをしたりしています。
またサッカーの大会では、当日参加チームの皆様に体調チェックシートの提出をお願いしています。併せて、熱中症対策としてクーリングルームを確保し、体調管理に十分配慮しています。とにかくできることは全部やる、という感じですね。
港区だからできるスポーツを
---港区ならでは、というスポーツ事業はありますか?
中村さん
ラートやフェンシング、レスリング、トランポリンですね。
「他の自治体でもやっているスポーツ」ではなく、「港区だから体験できるスポーツ」を意識しています。
---フェンシングはめずらしいですね。
宮川さん
港区在住の元オリンピック日本代表選手がいらっしゃるんです。その方が港区で協会を運営しているので、そうしたつながりから事業が実現しています。レスリングも、日本代表選手を招いて体験会やトークショーを開催しています。
---ラートも港区の印象が強いですね。
中村さん
そうですね。少なくとも20年以上続いてます。
ラート教室からはじまったのですが、その後2022年に、ラートをもっとやりたい!との子供たちの要望から「みなとラートクラブ」が立ち上がりました。スポーツ事業課も立ち上げ時には活動の仕組みづくりなどをお手伝いしました。
今では体験会、定期教室、全日本ジュニアラート大会など、小学生~大人まで、年間を通して事業を実施しています。9月のジュニアラート大会では、全国から選手が集まり、港区スポーツセンターで競技を行います。教室に参加した子どもたちが「大会を見てみたい」と思う入口にもなっています。
宮川さん
港区ならではというところでは、お台場海浜公園での海の事業もあります。
お台場を活用してSUP(スタンドアップパドル)やウインドサーフィンを実施しています。
23区内でも海を活用できる区は限られていますから、港区ならではの特色だと思います。
---子どもたちも参加できますか?
宮川さん
小学生4年生以上でしたらでも参加できます。本格的な海のスポーツに挑戦する前の体験の場として参加してくださる方もいますね。
---ラグビー事業も長く続いていますね。
宮川さん
港区は2009年から日本ラグビーフットボール協会と連携協力をしており、スポーツ事業課でも、保育園や幼稚園へのタグラグビー派遣、大人向け体験会など、幅広くラグビー事業を実施しています。2020年からはサントリーサンゴリアスと連携協力関係を築いています。
---競技人口を増やすことにもつながりますね。
宮川さん
そうですね。幼稚園・小学校での出前授業や、港区タグラグビー教室など体験会をきっかけにチームへ入る子もいますし、ラグビー経験者の保護者の方が子どもに体験させたいというケースもあります。スポーツに出会うきっかけになっていると思います。
誰もが一緒に楽しめるスポーツの場をつくりたい
---最近力を入れている事業はありますか?
中村さん
今年度から「TRY!パラスポーツDAY」という事業を始めました。これまでは車いすバスケットボールなどを個別に開催していましたが、より多くの競技に触れてもらいたいという思いから、パラ射撃や車いすカーリングなども含めて、一度にパラスポーツを体験できるイベントとして実施しました。
---反響はいかがでしたか?
宮川さん
約70人の方に参加していただきました。なかなか体験する機会の少ない競技ばかりなので、多くの方が興味を持って参加してくださったと感じています。
---この事業で特に大切にしていることは何ですか?
宮川さん
まずはパラスポーツそのものの面白さを知っていただきたいという思いがあります。そのうえで、年齢や性別や経験、障がいの有無に関係なく、みんなが同じ場所でスポーツを楽しめる場になったらいいなと思っています。
「つなぐ」がスポーツ事業課の使命
---「TRY!パラスポーツDAY」はどのような経緯で実現したのでしょうか?
中村さん
財団職員の同級生が日本財団に所属されていて、そのご縁から新しいパラスポーツ競技や関係者をご紹介いただくことができました。
---人と人とのつながりがきっかけで事業が始まったのですね。
中村さん
そうなんです。こうしたご縁から新しい事業につながったり、これまで出会えなかった競技を紹介できたりすることもあります。人とのつながりが、新しいチャレンジを生み出してくれていると感じています。
---そうしたお話を伺うと、スポーツ事業課のキーワードは「つなぐ」なのかもしれませんね。
宮川さん
そうですね。知らないスポーツと人をつなぐ。地域とスポーツをつなぐ。スポーツには、さまざまな人や機会を結びつける力があると思います。
中村さん
「TRY!パラスポーツDAY」でも、競技との出会いや参加者同士の交流がたくさん生まれました。スポーツを通じて、人と人が自然につながるきっかけをこれからもつくっていきたいと思っています。
キスポート財団 スポーツ事業課 公式SNS
【Instagram】https://www.instagram.com/kissport_sports/
【X】https://x.com/Kissport_Sports/
キスポート財団 スポーツ事業課
住所:東京都港区芝浦1-16-1 みなとパーク芝浦3階
電話番号:03-5439-6201
🟧スポーツ事業課の取り組み
🔸教室事業
ラート体験教室や、トランポリン体験教室、筋力アップトレーニングなど、子どもから高齢者までを対象に、多彩なスポーツ教室を開催しています。初心者でも気軽に参加できる機会を提供し、スポーツを始めるきっかけづくりや健康づくり、生涯スポーツの推進を図っています。
🔸大会事業
港区民が日頃の練習成果を発揮し、交流を深める場として各種スポーツ大会を開催しています。競技を通じてスポーツへの意欲向上と地域コミュニティの活性化を目指しています。
🔸協定事業
企業やスポーツ団体との連携協定を活用し、保育園や幼稚園でのタグラグビー出前授業や、ラグビー日本代表選の観戦事業などを実施しています。専門的な知見や資源を生かし、新たなスポーツとの出会いを創出しています。
🔸イベント事業
スポーツの魅力を広く発信するため、体験イベントなどを実施しています。お台場海浜公園でのウィンドサーフイン、SUP&SUPヨガなど人気の講座があります。誰もが気軽に参加できる機会を通じて、スポーツへの関心や親しみを育んでいます。
🔸共生事業
年齢や性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、誰もがスポーツを楽しめる環境づくりを進める事業です。パラスポーツDAYの開催など多様な人々の交流を促し、共生社会の実現につなげています。


