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ふれあいコラム

今、話題の人物をクローズアップ!
舞台『ブックショップ』出演者

舞台『ブックショップ』出演者

麻乃 佳世 さん

あぜち 守 さん

溝呂木 賢 さん

旺 なつき さん

魅惑のキャスト4人が演じるハートウォーミングなファンタジー

10月11日~13日、赤坂区民センターで上演される舞台『ブックショップ』は、古い本屋が舞台の、2組の男女が織りなすファンタジックな演劇です。初演は、2005年のカナダ。世代を超えて共感を呼ぶハート・ウォーミングなコメディは高く評価され、世界各国で上演されています。2009年初演の日本語版も今年で4回目。出演される麻乃佳世さん、あぜち守さん、溝呂木賢さん、旺なつきさんに、劇の見どころ等を伺いました。

この作品の見どころは?

麻乃:このお芝居は、どなたも共感できる、人を好きになることや、好きなものに対する愛着がテーマ。深い言葉がいっぱいちりばめられ、どのシーンも楽しんでいただけるマジックのような作品です。舞台に所狭しと積まれた本も、よく見てくださいね。役者の名前が書かれていたり、小道具として使ったりします。

溝呂木:本当にかわいらしい作品で、一度、この世界に入っちゃったら終わるまで目が離せない、ジェットコースターに乗ってるみたいな楽しい舞台です。ほかの舞台と異なるのは、裏方もこの4人だけでやること。小道具を渡したり、装置の転換等も自分たちでやるんです。

あぜち:ニューヨークで40年以上、上演された『The Fantasticks (ファンタスティックス)』というミュージカルがあります。僕は、その日本語版を18年ぐらい演らせていただきました。同じように、『ブックショップ』も幅広い年齢の方に、長く愛される作品になると思います。

旺:この作品には、人が人らしく生きていくのに大切な、相手に対する尊敬や自分の中の誇りが込められています。4人の信頼関係で「2度とない組み合わせ、このメンバーでないと」と言っていただけるよう、しっかり演じたいですね。

それぞれ、どんな役ですか?

麻乃:本屋のオーナーのジェーンは、空想や妄想をたくさんする女の子。それは私も似ています。心の中に残っている初演の時のピュアな感覚と、再演を重ねたことで、もっと「ステキな自分が演じるステキな彼女」になれたかな、と思います。

溝呂木:本屋の隣のチョコレート屋のサミュエルは、当たって砕けちゃったらどうしよう、みたいなピュアでじれったい性格。10代、中学生の頃の気持ちに近いかなと思います。そんな気持ちを、どうやって取り戻そうかと思いましたが、それって初恋みたいなもので、誰もが一回は通ってきたもの。皆さんも、入り込めるんじゃないでしょうか。

あぜち:僕が演じるヴィクターは幽霊役。若い2人に比べると能動的ではありますが、幽霊になる前は、同じような引っ込み思案。普遍的な愛の持ち主だと思います。

旺:私が演じるペトラは、ウクライナ女性。シャイな若い2人と、ヴィクターとペトラの大人の愛が見事にリンクする展開です。

ところで皆さんは、港区にどんな思いや思い出がありますか?

旺:地元住人の私から(笑)、よろしいですか?港区には、宝塚を出てからずっと住んでいます。穴場なんかも、いっぱい知っていますよ。港区の魅力は、非常に近代的なところと、昔からの、絶対なくしてはいけないものが共存しているところ。そういう港区が大好きです。
うちの近くにもお地蔵さんが残っていますが、皆さん大事にしています。通行量の多い道路に、地元の方が一生懸命花を植えていたり、緑も大事にしています。
都会なのに自然も多くて、白金台の国立科学博物館附属自然教育園等オススメですね。私、リピーターズパスを持っています。中に入ったら自然が手つかずの状態で、森の中みたいです。今回のペトラ役はセリフの半分がウクライナ語というとてつもない役で、ウクライナ語の勉強もしたのですが、そうしたセリフを覚えるのも、たいていあの中です。

あぜち:港区には僕のかかりつけの歯医者さんがあって、港区というと痛い思い出(笑)。今では代が変わって、息子さんが先生になっています。青山墓地周辺には行きつけのお店があって、そちらは悪酔いの記憶ですね(笑)。
良い思い出もたくさんありますよ。草月ホールは建て替える前にも出演していましたし、赤坂公会堂等、ホールや劇場がたくさんありましたから、古いお付き合いですね。

麻乃:私は江東区の出身ですが、宝塚を退団するちょっと前に、両親が港区の海岸のほうに引っ越ししました。ですので、戻ってから私もしばらく住んでいたんですよ。高層マンションの上のほうで、ちょうどレインボーブリッジの開通式があって、上から眺めた記憶があります。その後、また引っ越ししてしまったのですが、最近あのあたりを通ったら、駅に行きやすい橋ができていたり、コンビニが増えていたり。「ずいぶん便利になったのね」と、両親と話したりしました。
それから、麻布十番に友人がいて、遊びに行くのに、港区のコミュニティバス〝ちぃばす〟をよく利用します。約20分間隔だから本当に便利ですね。前回の港区での公演の時も、六本木から赤坂区民センターがある「赤坂地区総合支所前」まで、ちぃばすで通いました。建物の目の前に停まるので便利ですね。

あぜち:そうだ、僕も港区に住んでいたことがあった!(全員笑)あんまり昔のことだから、忘れていましたが。港区の芝、駅でいったら芝公園。そこに20代の頃住んでいました。麻布十番のつづきスタジオで稽古したり、どこにいくにも便利な場所でしたね。

皆さん、港区とご縁があったのですね。溝呂木さんはいかがですか?

溝呂木:いやぁ、ぼくは住んでいませんが…。東京に詳しくないので、お話を聞いていたら、港区ってどれだけデカいんだって驚きました。新橋や台場も港区ですか?高輪も?いいところだなぁ。これはもう…、住みます!住むしかないですね。(全員爆笑)

それでは最後に、メッセージをお願いします。

麻乃:私たちの『ブックショップ』は、本当にたくさんの方に見ていただきたい作品です。上演時間も80分とコンパクト。内容的にもあっという間で、私たちが魅了します(笑)。お芝居を見に行く、とか構えなくても気軽に楽しんでいただける、大人のファンタジーです。

旺:若い方たちだけでなく、お年を召した方にも来ていただきたい舞台ですね。若い頃の初恋や、純粋なトキメキをもう一度、感じていただけると思います。

あぜち:「貴方がたった一度だけ訪れた、あの秘密の場所…」。そんなナレーションをつけたくなるような、むしろ大人の方たちに共感していただける舞台だと、僕も思います。

溝呂木:思わぬ仕掛けもあるし、ステージの後にはアフタートークもありますから、舞台裏のコトや、質問にもお答えできます。ぜひ、いらしてください!

プロフィール

舞台『ブックショップ』出演者

左:旺 なつき (おうなつき)
宝塚歌劇団月組個性派男役を経て、ミュージカル等舞台で活躍。
左から2番目:あぜち 守 (あぜちまもる)
国立音楽大学声楽科卒、日劇ダンシングチームを経て、ミュージカルを中心に活躍。
右から2番目:麻乃 佳世 (あさのかよ)
宝塚歌劇団月組トップ娘役を経て、TVドラマ、舞台、映画、ラジオ等で活躍。
右:溝呂木 賢 (みぞろぎけん)
2001年TVドラマデビュー、映画、CM、舞台で活躍。