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ふれあいコラム

今、話題の人物をクローズアップ!
和太鼓 東京打撃団

和太鼓

東京打撃団

「組太鼓」ならではの迫力ある音を、ぜひ全身に浴びてください!

8月4日に開催される「東京打撃団 赤坂区民センター 区民ホール公演」にご出演の3名のメンバーと同グループ代表の平沼仁一さんに、和太鼓との出会いや今回の公演の見どころ・聴きどころについて伺いました。

どのような思いで、東京打撃団というグループを立ち上げたのでしょうか?

平沼
私は以前、プロの太鼓グループに12年ほど在籍しており、独立後に東京打撃団を立ち上げました。当時の東京ではソロで太鼓を叩くのが流行り始め、何かあると一人ひとりが集まって演奏することが多くなっていました。でも私は組太鼓の良さや可能性をずっと感じていたので、太鼓打ちだけのグループを作ったんです。その場限りのメンバーではなく、常に共に演奏する仲間だからこそできる、組太鼓という太鼓のアンサンブルが持つ音の強さを出したい。それが、東京打撃団立ち上げの一番の想いでした。

みなさんはどのようにして和太鼓に出会ったのですか?

佐藤
実は、中学生の時に好きだった女の子が和太鼓をやっていて(笑)。それで彼女の演奏を見に行ってみると、その迫力に衝撃を受けたんです。それから「僕も和太鼓がやりたい!」と思って、地域で太鼓を教えてくれる場所があったので通うようになりました。
横山
私は高校入学して部活見学している時に、たまたま和太鼓同好会の先輩から声をかけられ、半強制的に入部させられました(笑)。最初は全然興味なかったんですが、太鼓には色んな打法があってそれがなかなか難しい。負けず嫌いな性格もあって、その悔しさをバネに積極的に練習するようになり、気がつくと完全にハマっていました。
村山
私は和太鼓もやりますが、篠笛を担当しています。もともと吹く楽器が好きで、ハーモニカに始まりトランペットへ、そしてサックスも吹いていました。でも体格のいい外国人の吹くサックスの太い音色にはかなわないと思い、もっと自分に合う楽器を探しました。そんな時、中学時代に学校に演奏に来た和太鼓グループのことを思い出し、改めて公演を見に行ったのです。そこで和太鼓や篠笛という楽器の素晴らしさを改めて実感し、「コレだ!」と思いこの世界に入りました。

東京打撃団のパフォーマンスの魅力について教えてください。

村山
人間が聴き取れる周波数帯域は可聴域と呼ばれ、CDに録音したりスピーカーから再生したりするときは、それ以外の帯域をバッサリ切り落としています。でも、私たちの演奏ではスピーカーやマイク等の音響機器は一切使わず、空気振動や音圧を直にお届けしています。科学的には聴こえないとされている音も含め、太鼓から発せられるすべての音や振動を届けることができる。この「本物の音」が一番の魅力ですね。

和太鼓の演奏にはかなりの体力が必要だと思いますが、日頃からトレーニング等されているのでしょうか?

佐藤
太鼓を叩く時に使う筋肉は、普段生活する上で使う部分とは違います。また、ジム等で機械を使ってガチガチに鍛えると、逆に太鼓をしなやかに打てなくなってしまいます。そのため太鼓を演奏する上では、「太鼓を打つ」こと自体がもっとも理にかなったトレーニングになると思っています。

これまでの活動で特にうれしかったことや苦労したこと、また、印象に残っている公演等はありますか?

佐藤
印象に残っているのは海外演奏です。特にメキシコ公演でのお客様の反応には驚きました。日本人の場合はしっかりじっくり演奏を聴いてくれることが多いのですが、メキシコ人はすごく盛り上がってくれるんです。演奏を始めた途端、お祭り騒ぎで踊り出したので驚きました。でも、あそこまで盛り上がってくれると演奏している方もすごく楽しかったですね。
横山
僕は苦労したことですが、昔、公演前にバイクで事故にあってしまったことがありました。手術をしてリハビリもしたのですが、今まで当たり前のように上がっていた腕が上がらず、上手く太鼓が叩けない時期がありました。その時、演奏者として常にベストな状態をキープしておかなければ、たくさんの人に迷惑をかけてしまうということを実感し、大いに反省しました。
村山
うれしかったことというか、この仕事のやりがいとも言えることですが、私たちは海外公演も多く、まだ和太鼓を全然知らない人たちにも聴いて貰える機会がたくさんあります。それ故に物珍しそうに見られることもありますが、そんな時こそお客様に自分たちの演奏で驚きと感動を与えられるチャンスなんです。始めは何が始まるのは不安そうに見ていた海外の人たちも、最後にはスタンディングオベーション。この時の喜びはひとしおです。

みなさんの、今後の目標を教えてください。

佐藤
和太鼓の魅力をもっと若い世代にも伝えたいです。そのためにも、僕自身がもっともっと鍛錬して、見に来てくださった方々に「和太鼓ってすごい!」と思ってもらえるような演奏ができるようになりたいと思っています。
横山
私も佐藤と同じです。東京打撃団というグループをもっと知ってもらうために、公演回数を増やして、一人でも多くの方に見に来てもらいたい。本数もそうですし、一回一回の公演のクオリテイもより高いものにしていき、東京打撃団の公演を見て和太鼓の色んな魅力を知ってもらいたいです。
村山
私は今年で50歳を迎えますが、今でもこうして演奏の機会をいただけることをとても幸せだと思っています。体力的にはどうしても落ちてくる部分はありますが、感情や表現の部分で、若い衆にはない味わい深さを出していきたいと思っています。そして一回一回、その時々の最高の音をお届けできるよう努めていきたいですね。
平沼
今回の公演でも、お客様に直接和太鼓と触れ合ってもらえる機会を設けたいと思っています。こうした体験を通じて日本の伝統的な音楽の良さを改めて知ってもらえるよう、演奏以外でも取り組んでいけたらと思っています。

今回の公演の見どころ・聴きどころを教えてください。

村山
まず私たちのオリジナル曲で太鼓のスピード感や音圧を楽しんでいただきつつ、その後は日本各地の伝統芸能の曲をいくつかご紹介します。伝統的な楽曲と、そこから学び新たに作り出された私たちのオリジナル曲。その両面をぜひ楽しんでいただければと思います。
横山
当日は6人で演奏予定ですが、「これだけの人数でこんな音が出せるのか」という、音圧や生の音の良さをぜひ体験してもらいたいですね。

プロフィール

和太鼓 東京打撃団メンバー

村山二朗(むらやまじろう)(写真左上)
佐藤晃弘(さとうあきひろ)(写真右上)
横山亮介(よこやまりょうすけ)(写真左下)
平沼仁一(ひらぬまじんいち)(写真右下)
プロデューサーの平沼仁一氏を代表として1995年に結成された和太鼓音楽集団。形式や慣習にとらわれない新しい感性によって「太鼓」の持つ可能性を追求し、太鼓アンサンブルの魅力あふれるステージを展開している。