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ふれあいコラム

今、話題の人物をクローズアップ!
ヴァイオリニスト 髙木凜々子さん、山中香林さん、岡田知子さん

ヴァイオリニスト

髙木凜々子 さん
山中香林 さん
岡田知子 さん

ヴァイオリンが生み出す表情豊かなクラシック音楽
美しく、激しく、あたたかな音色を全身で感じてください

8月16日の「ヴァイオリン ミューズ コンサート」には、今後の活躍に注目が集まる期待の若手演奏家3名が出演されます。メイン出演の髙木凜々子さんと、ゲスト出演の山中香林さん、岡田知子さんに、ヴァイオリンの魅力やコンサートの聴きどころについてうかがいました。

髙木さんは名器として名高いストラディバリウスをお使いなのですね。

髙木
そうなんです。黒澤楽器店から貸していただき、今年1月からストラディバリウスで演奏しています。最初に黒澤楽器店から声がかかった時は「まさか私が!?」と驚きました。ストラディバリウスは音がとてもクリアで、2000人規模のホールでも一番後ろの席まで音がピーンと届く。そういう音の良さもありますし、歴史の重みも感じますね。ベートーヴェンやモーツァルトだってストラディバリウスを知っていたはずですから。それにストラディバリウスで演奏することでお客様が喜んでくださるのも嬉しいです。

髙木さんと山中さんは大学の同級生だとか。これまでに共演したことは?

山中
私たち2人とも昨年3月に東京藝大の音楽学部を卒業しました。授業で一緒に演奏したことは……あったっけ?
髙木
なかったよね。でも、卒業試験の控え室は一緒でした。
山中
そうそう、待機している間に髙木さんのドレスのサイズを詰めました(笑)。
髙木
偶然にも今回のコンサートで同級生と共演できることになり、嬉しいです。

岡田さんは15歳という若さで、今回のコンサートにゲスト出演されます

岡田
この4月から高校生になりました。昨年、赤坂ジュニア音楽コンクールで銀賞を受賞した特典としてルーマニア大使館での演奏会に出演したのですが、その大使館での演奏が今回の「ヴァイオリンミューズ コンサート」主催者の方の目に留まり、声をかけていただきました。
髙木
赤坂ジュニア音楽コンクールはとてもレベルの高いコンクール。岡田さんは素晴らしい実力の持ち主なのですね。共演できるのが楽しみです。

ヴァイオリンの魅力とは?

髙木
ヴァイオリンって美しい音色のイメージがあるかもしれませんが、実は迫力ある音や深い音も出るし、とても幅の広い表現ができるんです。
山中
迫力のある音はヴァイオリンの大きな魅力ですね。CDではなく生で聞くと、よりヴァイオリンの音の強さ、激しさを感じてもらえると思います。
岡田
悲しい音、怒ったような音等、音色にさまざまな表情がありますよね。表現するのが難しいところを音色で表せるのがヴァイオリンという楽器です。

今回のコンサートの聴きどころは?

髙木
ストラディバリウスの生の音色をお楽しみに!ストラディバリウスは弾き手の心が音に表れる楽器。コンサートに向けて楽器としっかり向き合い、体の使い方もさらに研究を重ね、お客様にストラディバリウスの魅力を余すところなくお届けするつもりです。
山中
若手の女性ヴァイオリニストを3人も集めたコンサートというのはかなり珍しいですね。3人それぞれの演奏スタイルの違いも楽しんでいただけるはず。私はお客様がつい踊りだしてしまうような高揚感のある演奏をしたいと思っています。
岡田
コンサートが初めてのお子さんから、クラシックを聞き慣れた大人の方まで、誰もが楽しめる公演にしたいですね。
髙木
400席の会場なので演奏者との距離が近いですし、お客様にはヴァイオリンの迫力をダイナミックに感じてほしい!演奏の合間のトークも楽しんでくださいね。

黒澤楽器店に聞く新進気鋭のヴァイオリニストとストラディバリウスのコンビネーションを楽しんで!

創業60年超の黒澤楽器店が展開する弦楽器専門店クロサワバイオリンに、ストラディバリウスを髙木さんに貸与した理由をうかがいました。
●ストラディバリウスとは?
17~18世紀にイタリアで活躍したヴァイオリン作家、アントニオ・ストラディバリが製作したヴァイオリンのことです。
●ストラディバリウスはなぜ有名?
ヴァイオリンの形を完成させたのがストラディバリです。彼は楽器としての性能を追求し、明るく大きな音の鳴るヴァイオリンを作り上げました。ヨーロッパで音楽文化が花開いた17~19世紀、著名な演奏家たちが好んで使ったのがストラディバリウスです。ストラディバリウスなくして今のクラシック音楽は存在しなかったと言えるでしょう。こうした歴史的価値も含めてストラディバリウスは愛され続けているのです。
●髙木さんに貸し出した経緯は?
ヴァイオリンは鳴らさないと音が出なくなってしまいます。貸し出しを考えていた時、髙木さんの演奏を聞いて将来性を感じ、ぜひこの方に弾いてほしいと思いました。髙木さんがお使いのストラディバリウスは1702年製。ストラディバリの作家人生の中でも黄金期とされる時期に製作された品です。髙木さんの演奏を通してストラディバリウスの魅力が広く伝わることを願っています。

プロフィール

髙木凜々子さん

髙木凜々子(たかぎりりこ)
2010年ヤマハ音楽振興会の音楽奨学生に最年少で選出。小学生の頃から数々のコンクールで入賞。2016年第67回TIAA全日本クラシック音楽コンサート最優秀賞。2017年第1回バルトーク国際ヴァイオリンコンクール第2位。2019年3月東京藝術大学音楽学部卒業。国内外の演奏会に多数出演。使用楽器は黒澤楽器店より貸与されたストラディバリウス「Lord Borwick」(1702年製作)
山中香林さん
山中香林(やまなかかりん)
第21、22、24、25回香川県ジュニア音楽コンクール金賞。2016年かがわジュニア・フィルハーモニック・オーケストラ第15回定期演奏会にソリストで共演。2015年と2017年に香川県の珈笛画廊ほのほでソロリサイタル。2019年3月東京藝術大学音楽学部卒業。
岡田知子さん
岡田知子(おかだともこ)
4歳よりヴァイオリンを始める。第21回演奏家コンクール第3位。2016年と2017年に東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」のオーディションに合格し子供コンサートマスターにて参加。都立総合芸術高等学校1年在学中。