会場が“九龍城砦”のような熱気で包まれる!? 映画を脚本分析し、その魅力を深掘りします!
更新日:2026/11/05
映画監督・脚本家
杉山 嘉一さん
(すぎやま よしかず)
「第6回みなとシネマフェスタ~ドキドキワクワク!みなとでシネマ~」の11月22日(日)『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』上映後に、本作の魅力について語るトークショーが行われます。ゲストとして登壇する杉山嘉一さんに、トークショーの楽しみどころをうかがいました。
『トワイライト・ウォリアーズ決戦!九龍城砦』を初めて観た時の感想は
日本では2025年1月に公開され、私も公開後すぐに観ました。もともと映画関係の友人たちから「香港からすごい作品が来たらしい」という話は聞いていたのですが、実際に観て「噂は本当だった!」と興奮しましたね。
そもそも香港映画は、ジャッキー・チェン作品に代表されるようなカンフーアクション映画を中心として1980年代に黄金期を迎え、数々のヒット作が生まれました。しかしCGの普及もあって、近年は香港映画の元気がなくなり、作品数も少なくなっている状況だったんです。そんな中、登場したのが『トワイライト・ウォリアーズ』でした。過剰なまでのサービス精神で、アクションやサスペンス、それに笑いまでてんこ盛りの大娯楽作。リアルなセットを実際に組んだうえで、最新のCG技術も駆使しており、「かつての香港映画が、現代の装いで現れた」と感じました。
今回のトークショーではどのようなお話をされる予定ですか?
本作は公開時から何度もリピートして鑑賞するコアなファンが多い印象です。今年の「みなとシネマフェスタ」にも本作を初めて観るお客さまだけでなく、すでに観たことがある方がたくさん来場されるでしょう。そのため、トークショーは作品の魅力を深く掘り下げる内容にできればと思っています。
とはいえ、私は本作の制作には関わっていないのです。なので、映画監督や脚本家を生業にしている者の視点から、本作の物語や構成を分析しつつ「こういう意図があるから、このような演出になっている」「だからここで音楽が使われている」というようなお話をするつもりです。作ってもいないのに(笑)。
映画に限らず、物語の構成には、いわゆる起承転結や序破急のような黄金ルールがあります。そうした切り口で作品を見つめると、また違った面白さを発見できるのではないでしょうか。
もともとアクション作品はお好きなのですか?
大好きです! 監督としてアクション作品に関わったのはネットドラマ『探偵事務所5』シリーズの「NIGHTMARE SOLDIERS」くらいですが、その時はうれしくて、アクション監督にいろいろ相談しましたね。日本では銃撃戦が現実的ではなく、ナイフでの戦闘シーンになりました。
いいアクション映画は、アクションが単なる見せ場で終わらないんですよ。セリフの代わりにアクションがある。極論を言えば、パンチで「愛している」を伝えるような……『トワイライト・ウォリアーズ』にも、やはりそういうシーンがあります。
映画監督や脚本家をめざしたきっかけは?
小さな頃、親がよく映画館に連れて行ってくれました。『007』や『ランボー』など、テレビのブラウン管には収まりきらないような壮大な作品を観て、「映画監督になりたい」と思ったんです。高校卒業後、映画制作を学ぶために日活芸術学院に進学しました。ただ、学校よりも撮影現場のアルバイトのほうが学ぶことが多かったですね。19歳の時には助監督をやっていました。助監督の中でも下っ端でしたけれど。
助監督時代の先輩に、後に『半落ち』などを監督する佐々部清さんがいました。当時、佐々部さんに言われたのが「監督になるなら脚本を書かなきゃだめだ」。それで脚本を書き始めたんです。私にとっては、自分が撮りたいものを文字にしたのが脚本です。スタッフやキャストの方々に、自分の想いをさらけ出すラブレターのようなものでもあります。
初めて監督した作品はどのようなものでしたか?
自主制作も含めるなら、中学3年生の時でした。卒業お別れ会のクラスの出し物を考えろと言われて、たまたま学校の機材にビデオカメラがあったので、『必殺仕事人』のパロディを友人たちと撮った記憶があります。当時は効果音を入れる術もありませんでしたが、今はスマホで映像の撮影・加工・編集が簡単にできますから、作品制作が身近な時代になったなと感じます。
商業的な意味での初監督作品は、2004年公開の映画『HIRAKATA』です。ヴィジュアル系ロックバンドJanne Da Arc(ジャンヌダルク)のライブドキュメンタリーですが、ただのライブ映像ではつまらないだろうと、ドラマパートを盛り込みました。映画館でバンドメンバーの舞台挨拶がある日には、座席間の通路までファンでみっしり埋まり、すごい光景でした。
トークショーに向けて意気込みをお願いします。
『トワイライト・ウォリアーズ』の面白さは、観ればわかってもらえるはずです。トークショーではみんなで一緒に「チャーシュー飯を食べた」気分で盛り上がりましょう! 「チャーシュー飯」が何なのかは、本作を観てのお楽しみに。
追加募集開始!
杉山嘉一さんのトークショーもある【トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦】は好評につき追加募集開始。定員になり次第募集終了になるのでお早めにお申込みください。
プロフィール
杉山 嘉一
1970年東京⽣まれ。⻘⼭真治、林海象、市川崑などさまざまな監督の作品に助監督として参加。2004年映画『HIRAKATA』で監督・脚本デビュー。2008年『GOAPE』にて第1回WOWOWシナリオ⼤賞を受賞。主な監督作品に、映画『川のながれに』(2022年)、映画『帯広ガストロノミー 』(2022年)、ドラマ『ひと夏の隣⼈』(2016年)など。主な脚本作品に、映画『Diner ダイナー』(2019年)、ドラマ『相棒19』、ドラマ『私が愛するのはクズ男だけ~愛に縛られる女達~』(2026年)など。

