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港区探訪
第2回 いつの時代も、流行の最先端は港区から
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六本木ヒルズやレインボーブリッジが象徴するように、港区には「流行の発信地」のイメージがあります。
それは現代だけでなく、江戸から明治・大正・昭和も同じこと。
港区が流行の最先端だった産業や文化を紹介するシリーズです。

江戸のベストセラー仕掛け人 芝神明三島町にあり 四代目和泉屋市兵衛

江戸のベストセラー仕掛け人 芝神明三島町にあり 四代目和泉屋市兵衛/「役者舞台之姿絵 かうらいや」〈歌川 豊国(初代)〉寛政6(1794)年11月 和泉屋市兵衛版「役者舞台之姿絵」シリーズのうち1作(港区立港郷土資料館所蔵)/和泉屋市兵衛の版元印 版元は版画面に、版元名や商標、住所などを意匠化した版元印を刷りこんでいる。和泉屋市兵衛は「泉市」、「泉市版」などの文字を線で囲んだ版元印を使用した。

徳川家康が江戸に幕府を開いて400年余。 天下泰平の江戸の町に花開いたのが「印刷文化」です。
それは木版による製版技術が進歩し、 安価に大量の印刷物を刷ることが可能になったため。
高価な肉筆画や書写本とは無縁だった庶民たちが、 本や浮世絵版画を買い求め、印刷文化の担い手となっていきました。
「江戸の印刷文化」を、港区芝大門にあった一軒の版元から探ります。


絵草紙屋が軒を連ねた芝大門から浜松町

和泉屋市兵衛の店頭(復元)  浮世絵は竹製の紙はさみに挟んでつるされ、絵草紙は表紙がよく見えるように陳列されている。(写真提供:東京都江戸東京博物館)/「東海道名所図会」  寛政9(1797)年  芝神明前の賑わいをうかがわせる光景。向かって右側が和泉屋市兵衛の店。「錦絵」「そうし問屋 泉屋市兵衛」と書かれた行灯看板が見られる。(港区立港郷土資料館所蔵)

 版元とは、書物などの出版元のこと。江戸時代の版元は、今の出版社や印刷会社と異なり、企画・制作から、印刷、店頭販売にいたるまですべてをとりしきっていました。中でも庶民の暮らしに大きくかかわった版元(地本問屋)は、絵入り短編小説である「絵草紙」や「錦絵」(浮世絵版画)など、娯楽的な出版物を製造・販売し、「絵草紙屋」とも呼ばれました。現在の芝大門から浜松町にかけては、多数の絵草紙屋が軒を連ねていました。このあたりは、江戸から東海道への出入り口として賑わった繁華街。増上寺や芝神明への参詣客も多く、人々は娯楽品や土産ものとして、絵草紙や錦絵を買い求めたのです。

 中でも芝神明三島町(芝大門一丁目)にあった和泉屋市兵衛は有力な版元の一つでした。もともと仏教や学術関連の書物を扱っていましたが、四代目和泉屋市兵衛は庶民向けの娯楽作品の出版に方向転換します。寛政6(1794)年、芝出身の絵師、初代歌川豊国(1769〜1825)を起用して「役者舞台之姿絵」という役者浮世絵シリーズを刊行。当時勝川派が確固たる主流をしめていた役者絵の世界に、無名の絵師を投入するのは四代目和泉屋市兵衛にとっても大きな賭けだったに違いありません。しかし豊国の役者絵シリーズは、東洲斎写楽の役者絵と江戸の人気を二分したとも言われるほどの大ベストセラーとなったのです。人気絵師として一世を風靡することとなった後も、豊国は四代目の恩を忘れることはなかったと言われています。

 四代目はこの後も人気の戯作者や浮世絵師と組み、絵草紙、錦絵、豪華な色摺りの絵本など数々のヒット作品を生み出していきました。文政5(1822)年には、江戸随一の名亭と称された八百善(やおぜん)の料理を記した「江戸流行 料理通」を刊行、これらの料理本もベストセラーになりました。

 和泉屋市兵衛の名は8代にわたって受け継がれ、明治には山中市兵衛の名で教科書や辞書を発行しました。数々のベストセラーを出した四代目和泉屋市兵衛は、港区内の寺院に眠っています。今は落ち着いたオフィス街が広がる芝大門の、絵草紙屋の軒先で庶民が絵草紙をめくっていた江戸の昔に思いを馳せてみるのもよいかもしれません。

町工場作業中の写真
刷り上がった校正紙を手にする佐野社長。
各頁を印刷用の版に割り付けていく面付作業はコンピューターで行っている。
昭和初期の工場風景写真
写真左:版下ダイレクト刷版機。アナログ方式だが、印刷物によっては現在主流のDTP(コンピューターですべての編集・製版を行う)よりも安価で効率的。
写真右:アナログの製版フイルムで刷版を作成する作業。経験を積んだオペレーターがルーペを使って細かい作業を重ねあげていく。
官公庁や大企業の多い港区には、 現在も数多くの出版・印刷業者があります。
昭和56年港区新橋で創業、 現在も港区海岸他で印刷工場を営む
(株)賢工製版の佐野 貞雄社長にお聞きしました。

港区は官公庁や大企業が多いから、カタログや広告チラシ、マニュアルや冊子などたくさんの印刷物が作られていました。
これらの印刷物は、何度もの打ち合わせや校正など多くの工程が必要で、しかも時間の制約が厳しいんです。昭和の終わりごろまで印刷業は、写植、製版、印刷、製本と工程ごとに会社が分かれていて、納期が厳しくても仲間の業者と、協力しあって納品しましたね。
2000年以降デジタル化が進むと、データだけ港区内で作って印刷は区外でやるところが増えてきました。地代は高いし、印刷機械やソフトの更新も大変だけど、ウチには腕のいい職人さん(オペレーター)が大勢いるから、港区でがんばっていきたいです。
質感や高精細にこだわったプラスアルファの技術で、当社にしかできない高品質の印刷には自信がありますよ(笑)。

● 協力:
 港区立港郷土資料館 TEL:03-3452-4966(JR田町駅から徒歩5分、都営地下鉄三田駅から徒歩2分)
 http://www.lib.city.minato.tokyo.jp/muse/
 東京都江戸東京博物館 TEL:03-3626-9974(JR両国駅から徒歩3分)    
 港区産業・地域振興支援部産業振興課 TEL:03-3578-2111(代)
 (株)賢工製版 TEL:03-5442-8488
●参考文献:
 日野原 健司「芝の本屋・和泉屋市兵衛−代々にわたるその出板活動」
 二又 淳「絵草紙屋について」(港区立港郷土資料館 平成18年度特別展図録『UKIYO-E−名所と版元』所収)

次回は「背が伸びるほどに夢がふくらんだ 東京タワー(昭和創世期編)」を掲載します。

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