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港区探訪

一度は訪ねたい 港区のアート&施設

第10回 東京都立中央図書館

東京都立中央図書館 朝倉響子作「晨(あした)」 写真

朝倉響子作「晨(あした)」、関連資料は、3階の閲覧室入り口に展示してあります。

知識に囲まれ心豊かに過ごせる場所

有栖川宮記念公園の中にある白い建物。それが東京都立中央図書館です。1973年、都立日比谷図書館の蔵書を引き継いで開館しました。都立の図書館は、他の図書館とは違うのでしょうか。早速、入ってみましょう。

真摯な眼差しは何を見つめているの?

都立中央図書館の特徴は、国内の公立図書館では最大級の約202万冊の豊富な蔵書。そのうち、新しい図書を中心に約35万冊が1階から3階の書架に並び、どの本も自由に手に取ることができます。

そこで出会ったのが、両手を頬に当て、澄んだ瞳で何かを見つめている女性のブロンズ像。朝倉響子の「晨(あした)」です。朝倉響子は、父である彫刻家の朝倉文夫に教えを受け、20代で日展特選を連続受賞する等、幅広く活躍しました。

東京都立中央図書館 朝倉響子作「晨(あした)」 写真

ずっと見つめていると、表情が変化するかのような錯覚を覚えます。

すっと背筋を伸ばして立つ女性。ポニーテールがはつらつとした印象を受けます。表情はどうでしょう。角度によって違って見える気がします。穏やかに微笑んでいるのでしょうか。それとも何かを憂いでいるのでしょうか。瞳に映る景色がどんなものなのか、暫し思いを巡らせてみるのも面白そうです。それが、図書館の中という、静かでリラックスできる空間ならではの過ごし方かもしれません。

もっと都立中央図書館を知りたい

本棚を見ても探している本が見つからない、資料を探したいけれど探し方がわからないということ、ありますよね。そんなときは、ぜひ気軽に司書の方へ相談してください。

一番人気はビジネス情報コーナーです。会社録、業界情報、マーケティング情報等、ビジネスに役立つ資料、CD-ROM、データベースがたくさん揃っています。

個人への貸出しは行っていませんが、コピーサービスを受けることも可能です。区市町村立図書館で申し込めば、区市町村立図書館が所蔵していない資料を貸出してもらうこともできます。

東京都立中央図書館 中央ホール/ビジネス情報コーナー 写真

写真左)中央ホール。蔵書検索、新聞記事等のオンラインデータベース、インターネット専用パソコンがあります。
写真右)人気のビジネス情報コーナー。会社情報、業界・市場動向等、資格取得や就職・転職活動に役立つ資料が充実しています。

資料保存にも力を入れています。江戸時代等の近世や戦前の貴重な資料も多く所蔵しているので、資料保全室を設けて、独自に修復・保全を行っているのです。

例えば、虫に食われて穴が開いてしまった江戸時代の資料。そのままでは、今後、閲覧することもできませんし、後世に伝えることもできなくなります。そこで修復・保全が必要になるのです。

また、図書館の本等は、多くの人が利用するので、劣化したり、壊れてしまったりすることが少なくありません。適切な修理を行うことが不可欠なのです。国内の公立図書館で修復・保全を行っているのは、都立中央図書館と国立国会図書館だけ。その技術も秀逸です。

普段は見ることができない、本の修復見学や書庫見学ができる、「バックヤードツアー」が不定期で行われています。また、さまざまなイベントや講座もありますので、ぜひご参加を。くわしくは都立中央図書館へお問い合せください。

東京都立中央図書館 本の修復作業 写真

資料の虫食い跡を、和紙で補修します。

東京都立中央図書館&「キスポート」
コラボ企画

斎藤明美さんの著作 写真

2月号の情報誌に掲載の「Kissポート講座シネマスペシャル」で講演される斎藤明美さんの著作を、3階閲覧室入り口で紹介しています。2月28日(水)まで。ぜひご覧ください。

東京都立中央図書館 外観写真

東京都立中央図書館

〒106-8575 港区南麻布5-7-13
TEL 03-3442-8451(代)
http://www.library.metro.tokyo.jp/

【開館時間】
・月~金 10:00~21:00
・土日祝休日 10:00~17:30
・特別文庫室 10:00~17:30
【音声・映像資料室】
・月~金 13:00~17:30
・土日祝休日 10:00~17:30
・2月の休館日 2/16(金)