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地下鉄銀座線虎ノ門駅5番、6番出口を出ると、スクラッチタイル貼りの旧文部省庁舎が見えます。奥の高層ビルはスポーツ庁が置かれている東館。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は延期して開催されることになりました。そこで来年の東京2020大会に向け、今号から港区にゆかりあるスポーツをとりあげていきます。第1回となる今回は特別編として「スポーツ庁」をピックアップ。スポーツ庁の取組みや、隠れた歴史見学スポットについてご紹介します。
スポーツ庁は、文部科学省の外局として2015年に創設された新しい行政機関。私たち国民が健康的に暮らせるようスポーツ振興に取り組むとともに、東京2020大会に向けても重要な役割を担っており、選手強化やスポーツ環境の整備等さまざまな政策を進めています。
例えばトップアスリートの強化活動の支援や、次世代アスリートの発掘・育成を通して国際競技力の向上につなげるほか、ドーピング防止やスポーツ団体のガバナンス確保のための体制を作り、健全でフェアなスポーツの推進をめざしています。また開・閉会式等の会場となる新国立競技場の整備や、スポーツを通した国際貢献事業にも取り組んでいます。こうした取組みによって、見る人に感動と勇気を与え、スポーツを通じて、健康で活き活きした生活を実現していくのがスポーツ庁です。
外階段には1580年から2008年までの年号が刻まれています。これは敷地内に江戸城外堀の石垣が残っていることから江戸幕府が開かれた1603年を意識し、階段の段数を考慮して少し前の1580年を起点に、文部科学省庁舎一帯が再開発され竣工した2008年までの429年分が刻まれています。
旧文部省庁舎と、スポーツ庁が置かれている東館の間にある江戸城外堀展示スペース。
地下1階にある江戸城外堀展示コーナー。
スポーツ庁の庁舎は銀座線虎ノ門駅を降りてすぐのところにあります。その脇に立つ重厚感のある建物は、昭和初期に建てられ、文部科学省の前身である旧文部省の庁舎として使われました。現在は登録有形文化財に登録されています。
旧文部省庁舎3階にある「情報ひろば」は文部科学省による情報展示スペースです。誰でも見学可能で、スポーツ、教育、科学、文化等文部科学省が関わる分野の歴史や記録をパネルや展示物で紹介しています。
また庁舎の敷地内には江戸城外堀の石垣の展示コーナーも。この石垣は、合同庁舎の整備に伴い2004年に行われた遺跡発掘調査で発見されたものです。
どちらも年齢を問わずに楽しめる展示で、きっと「へえ!」と思える歴史や発見に出会えるでしょう。
旧文部省庁舎の内部。クラシックな照明やエレベータの階数表示等、創建当時のままの意匠が残されています。昭和初期のレトロな雰囲気が素敵。
昭和8年当時の姿に復元した、情報ひろばの旧大臣室。歴代の文部大臣が使用した机やソファが置かれています。
情報ひろばのスポーツ展示室。明治期から現代までの日本におけるスポーツの歴史や政策について紹介されています。1964年東京オリンピックの表彰台レプリカも。表彰台に上って記念撮影ができます。
昔と今のデータを比較したコーナー。昭和60年頃と現代の子どもを比べると、体格は大きくなっているものの、運動能力はあまり向上していないそう。握力の測定もできます。あなたの握力はどれくらい?
【住所】
千代田区霞が関3-2-2 旧文部省庁舎3階
【開館時間】
平日10時~18時
【入館料】
入場無料
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、休館している場合があります。
https://www.mext.go.jp/joho-hiroba/にて、ご確認ください。