ここから本文です。

ふれあいコラム

今、話題の人物をクローズアップ!
プロジェクト・コーディネーター 若林 朋子

プロジェクト・コーディネーター

若林 朋子さん
(わかばやし ともこ)

誰もが文化芸術を楽しめる社会へ!
「共生」とは何かを一緒に考えよう

2026年1月12日(月・祝)、「港区文化芸術ネットワーク会議」が開催されます。
ファシリテーターを務める若林朋子さんに、港区文化芸術ネットワーク会議とは何か、そして「共生」をテーマとした今回の会議の内容などをうかがいました。

「港区文化芸術ネットワーク会議」とは何ですか?

 音楽や美術、伝統芸能、地域文化など、さまざまな文化芸術を振興するために、港区内で活動する団体が集まり、意見やアイデアを交わそうというもので、2014年にスタートし、年に1回開催されています。
 会議ではシンポジウムやワークショップを行うほか、先駆的な取り組みを行う団体の活動内容も紹介します。

今回のテーマは「共生」ですね。どのような話題が出る予定ですか?

 文化芸術に触れる場があっても、「参加したいけれど難しい」と感じる人は少なくありません。たとえば、障害がある方や高齢の方、育児・介護中の方、また、いわゆる„難しさ“を抱えていなくても「忙しい」「遠い」「知らない」といった理由で足が遠のいてしまう方もいます。参加を阻むハードルは日常の中にたくさん潜んでいるのです。
 今回の会議では、どのような方でも文化芸術に参加しやすい環境とはどのようなものかを、皆さまと一緒に考えたいと思っています。
 とはいえ、いきなり「共生社会とは?」を議論するのは難しいですよね。そこで、普段から「文化芸術×医療」や「文化芸術×障害者福祉」といった切り口で活動している団体をゲストにお招きし、まずは事例を聞くところから始めます。その後、参加者の皆さまも一緒にグループワークを行う予定です。
 会議のテーマは毎回異なり、過去には「アフターコロナ」や「持続可能性」などもありました。港区ひいては全国で注目を集めるトピックについて、アートの視点から考えてきました。

港区の文化芸術団体には何か特徴がありますか?

 民間の活動がとてもバラエティに富んでいますね。企業や大学、NPO、芸術団体、商店街、市民グループまで……これほど担い手が多彩なエリアはそう多くありません。規模も大小さまざまですし、歴史を感じるものから最新テクノロジーを扱うものまで時間軸も幅広く、文化芸術に触れる機会が本当に豊かです。

プロジェクト・コーディネーターとは、どのような仕事ですか?

 プロジェクト・コーディネーターとは、「こういうことをやりたい」という相談を受け、人・モノ・情報をつなぎながら、プロジェクトを実現する„調整役“です。そのなかでも、私はアートの分野を専門としています。
 以前は企業メセナ協議会に所属し、約14年間、企業による文化芸術支援に携わりました。独立後も、文化芸術支援がライフワークです。行政や企業と協力しながら、アートを支援するための環境づくりや、助成制度の設計などのサポートを続けています。

プロジェクト・コーディネーターのやりがいとは?

 アートの世界には、「自分がどうしたいか」「何を表現したいか」を軸に持ち、周りに流されずにいきいきと生きる人たちがたくさんいます。一生懸命に頑張っている姿を見ると、つい応援したくなるんです。そういう人々の活動を支え、コーディネートし、活躍の場を広げていけることが、私にとって大きな喜びです。

港区文化芸術ネットワーク会議にはどのような人が参加できますか?

 文化芸術や共生社会に興味がある方なら、どなたでも大歓迎です! アート団体に所属している必要はありません。ぜひお気軽にお申込みくださいね。

プロフィール

プロジェクト・コーディネーター 若林 朋子(わかばやし ともこ)さん

若林 朋子
プロジェクト・コーディネーター、立教大学大学院社会デザイン研究科 特任教授。デザイン会社勤務を経て、英国で文化政策とアートマネジメントを学ぶ。1999年から2013年、(公社)企業メセナ協議会に勤務し、企業が行う文化活動の推進と芸術支援の環境整備に従事。2013年よりフリーランス。事業コーディネート、芸術環境の整備支援、調査研究、助成プログラムの設計等に取り組む。2016年より立教大学大学院特任教員。