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本部・大学院棟のエントランスは、旧校舎のエントランスデザインを踏襲しています。
東洋英和女学院の旧校舎は1933年に建てられました。キリスト教の宣教を志してアメリカから来日したウィリアム・メレル・ヴォーリズが主宰するヴォーリズ建築事務所の設計によるものです。旧校舎は1993年に取り壊されてしまったのですが、創建当時の原図をもとに新しく図面が作られ、復元され、中学部・高等部のエントランスとして、その美しい姿を今に伝えています。
金属製で重厚感のある両開きの扉に、存在感のある文様が規則正しく並んでいます。よく見ると、扉の周りをぐるりと取り囲むアーチ状の大谷石にも同様の文様が刻み込まれています。花のモチーフでしょうか。縁起が良いという吉祥文様でしょうか。創業者W.M.ヴォーリズの志と事業を継承し、2003年の復元に関与した株式会社一粒社ヴォーリズ建築事務所によると、西洋の教会建築でよく用いられる図案を組合せ、独自の風景を演出することで、建学の精神の根底に流れる宗教性を表現したと推測されるそうです。
本部・大学院棟の1階には、学院資料・村岡花子文庫展示コーナーがあります。創立者であるカートメルの愛用トランクや自筆の手紙、同女学院の年表が展示されています。奥には村岡花子の書斎が再現されています。机、本棚、ウェブスターの英英辞書、辞書台は、実際に花子が使用していたものが村岡家から寄贈されたのだそうです。
大切に使われていた辞書や、翻訳原稿等を眺めていると、花子がどのような人物であったのか、どのような思いで文章を紡いでいたのか、少しわかったような気がします。
中学部・高等部のエントランス。
1933年に建てられた旧校舎から移設された扉には、美しい文様が配されています。
スパニッシュ・ミッション・スタイルと呼ばれる修道院の建築様式で、アーチ形の出窓が異国情緒を醸し出しています。
本部・大学院棟のエントランスは旧校舎のエントランスの雰囲気そのままのデザインです。
新マーガレット・クレイグ記念講堂は、校長の一人であるマーガレット・クレイグの名を冠しました。優しく、生徒の憧れの先生だったそうです。その講堂で、11月23日(木・祝)、「音楽のさんぽ道」が開催されます。普段は、学生や関係者等しか入ることができない神聖な講堂で、パイプオルガンの演奏等清らかな音楽をお楽しみください。
新マーガレット・クレイグ記念講堂では、毎朝、礼拝が行われているそうです。
どなたでも気軽に良質な音楽を鑑賞できる、Kissポート財団が主催するコンサートです。
〒106-8507 港区六本木5-14-40
TEL 03-3583-0696
見学可能日時:月~金 9:00~20:00
休館日:日曜・祝日、長期休暇中
見学無料
問い合せ先:資料室 TEL 03-3583-3166