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個性的なショップが建ち並ぶプラチナ通りを一本入ったところにたたずむ松岡美術館。
瀟洒な街、白金台の一角にある松岡美術館。ロビーに面した庭園には、創立者・松岡 清次郎の住まいがあった頃の面影が残ります
中国陶磁器から日本絵画、現代・古代彫刻まで、幅広い時代やジャンルの文物を収蔵する松岡美術館。特にガンダーラ仏教彫刻やクメール彫刻など、希少な古代東洋彫刻を楽しみに来館するファンが多いそうです。
この美術館を設立したのは、大正から昭和にかけて活躍した実業家、松岡清次郎。外国人居留地にほど近い築地に生まれ、幼い頃から英語に親しんだ清次郎は、22歳で貿易商として独立すると商才を発揮し、不動産業や倉庫業などにも進出。一方で、20代半ばから日本画や陶磁器の蒐集(しゅうしゅう)を始め、およそ半世紀をかけて約2,400点もの大コレクションを築き、美術品の蒐集家としても名を馳せました。1975年には「集めた美術品の数々をより多くの人に楽しんでほしい」と、港区新橋に松岡美術館を設立。清次郎没後の2000年、美術館は清次郎の自宅があった現在の地に移転されました。その後、所蔵品調査や改修工事のため約2年8ヵ月に及ぶ休館を経て、今年1月にリニューアルオープンしたばかりです。
開館以来、「創立者の審美眼を訴える場所であるべき」との思いから所蔵品のみで展示を行うなど、私立美術館としての矜持(きょうじ)を貫いている松岡美術館。ゆったりとした空間で、優美な作品の数々を心ゆくまで堪能してはいかがでしょうか。
松岡清次郎(1894-1989)。幼少期に、近所の外国人居留地にあった英語塾に通って英語を身に付けたそうです。そうして磨いた英語力が、貿易の仕事だけでなく、美術品オークションでも大いに発揮されたのでしょう。
清次郎が貿易で取り扱ったイミテーションダイヤのブローチ。
1996年に撮影された松岡邸。大正時代に建てられた和風建築でした。
展示室の一角に松岡邸の床の間を移築
所蔵品の中核をなす2つの中国陶磁器。ロンドンのオークションで「青花龍唐草文天球瓶(せいかりゅうからくさもんてんきゅうへい)」(右)を入手できなかった清次郎は、2ヵ月後に再びロンドンへ飛び「青花双鳳草虫図八角瓶(せいかそうほうそうちゅうずはっかくへい)」(左)を落札。後日、購入者の断念により「青花龍唐草文天球瓶」も入手しました。この時、清次郎80歳。驚きの行動力です。
古代オリエント美術の展示室。古代エジプトの木棺や石像などの遺物を常設展示しています。
3世紀頃のガンダーラ仏教彫刻「菩薩半跏思惟像」
1~2世紀頃につくられた、ギリシア神話に登場する狩りと貞潔を司る女神「アルテミス」の大理石像。
清次郎の孫で、副館長の黒川裕子さんは「わかりやすい作品が多いと思います。見る方の心で感じ取っていただければ」と話します。
https://www.matsuoka-museum.jp/
住所:港区白金台5-12-6
開館時間:10:00~17:00(入館16:30まで)、
毎月第1金曜は10:00~19:00(入館18:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替期間
アクセス:東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金台」駅
徒歩7分、JR「目黒」駅徒歩15分
応募方法:当財団HPまたはハガキに
①郵便番号・住所
②氏名(フリガナ)
③年齢
④電話番号
⑤今回の港区探訪(松岡美術館)の感想
を明記のうえ、〒107-0052
港区赤坂4-18-13 Kissポート財団
広報・事業推進課「松岡美術館チケットプレゼント」係まで。
アクセス:東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金台」駅
徒歩7分、JR「目黒」駅徒歩15分
HP:
『松岡美術館』ご招待チケットプレゼント