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神谷町駅から続くアプローチ通路。緑のゲートをくぐった先に広場やオフィスエントランスがあります。
多数のオフィスが集まる虎ノ門に、自然豊かな“森”があることをご存じですか?
今回は複合施設「東京ワールドゲート」に広がる緑地空間の中心「葺城の森」をご紹介!
2020年秋、国家戦略特区の認定を受けて誕生した「東京ワールドゲート」。オフィスやホテル、飲食店などが入った地上38階建ての神谷町トラストタワーを核として、広場やビオトープ、散策路のある緑地、神社などを有しています。国際ビジネス拠点としてつくられたエリアですが、働く人だけでなく、周辺に住む人や観光で訪れる人も快適に過ごせる工夫が凝らされています。
エリアを取り囲むように配置されているのが、約5,500㎡もの大きな緑地空間。その中でも神谷町トラストタワーの西側に広がる、木々がいっそう豊かな空間は「葺城の森」と呼ばれています。スダジイやシラカシなど自然の植生に近い草木をとり入れて里山の風景が再生されており、樹々を眺めながらテラスで食事を楽しむこともできます。
開発にあたっては地域の歴史を後世に残すことも重視されました。古くからこの地で親しまれてきた樹齢100年を超えるクスノキや、300年以上前に建立されたと伝わる葺城稲荷神社は、敷地内で移設工事を行ったうえで、再整備・保全されています。
このエリアでのイベントもご紹介します。5月21日(水)から3日間、屋外広場TWGスクエアにて行われるにぎわい創出イベント「TOKYO
God Valley WEEK Kamiyacho 2025
Spring」では、洗足学園音楽大学卒業生・大学院生によるコンサート「音楽のさんぽ道」が同時開催されます。ぜひお立ち寄りください!
(左)緑に囲まれた屋外テラス。お茶や食事を楽しむ人もいれば、そよ風を感じながらパソコンで作業をする人もいます。
(右)緑地の管理においては樹種構成が多岐にわたるので樹種に合わせた管理を行っており、除草剤などの薬剤の使用や剪定は最小限にとどめ、自然に近い姿を維持しています。春は桜、秋は紅葉が楽しめます。
高低差のある地形を活かし、自然の勾配によって水の流れを生み出したビオトープ。雨水を循環利用しています。
江戸時代初期から鎮座する葺城稲荷神社。移設に合わせて美しく整備されました。
(左)オフィスエントランスは世界的な建築家の隈
研吾氏によるデザイン。曲線を描く天井ルーバーがあたたかみを演出。
(右)神谷町駅と地下通路で直結。森トラスト(株)“神谷町ナビゲーター”の中村拓都さんは「都会にいながら緑を感じられる場所です。憩いの時間
を過ごしてください」と語ります。
神谷町トラストタワー2階のCoCo Lounge。CoCo
Lounge公式LINEにお友だち登録をすると、一般の方も入館可能です。
駅直結通路から神谷町トラストタワーのエントランスまで屋根があるため、雨でも濡れずにたどり着けます。
住所:港区虎ノ門4-1-1
入館料: 無料(どなたでも自由に散策いただけます)
アクセス:
日比谷線「神谷町」駅直結、銀座線「虎ノ門」駅徒歩8分
港区は、大使館が点在し、海外からの来訪者も多い国際色豊かなエリアです。東京ワールドゲートには“日本と世界をつなぐ”ためのサービスがいくつも用意されています。
ユニークなのが、東京ワールドゲート内にある「CoCo
JAPAN(ココジャパン)」プロジェクト。日本各地の伝統工芸品や地域産品を展示しています。全国の自治体や企業と協力し、その土地ならではの文化や歴史、作り手のストーリーなどを商品とともに紹介することで、日本のものづくり産業の発信・育成をサポートしています。展示スペースには、食器や食品、織物、日用雑貨まで多岐にわたるメイドインジャパンのアイテムがずらり!
普段はなかなか目にする機会が少ない地方の逸品を手に取ることができます(購入はオンラインのみ)。月ごとに展示品が入れ替わるので、何度訪れても新鮮な出会いがありそうです。陳列棚の一角では、月替わりのテーマ展示も行われます。
CoCo
JAPANの取り組みは、外国人だけを対象とするのではなく、国内の人々にも日本のものづくりの素晴らしさを知ってもらうことを目的としています。日本ならではの技術を身近に感じられるようなイベントも不定期で開催しており、これまでに「現代風金継ぎ」「“デコ”和菓子作り」などを体験できるワークショップが行われました。興味がある方はぜひのぞいてみてくださいね。
また同じフロアでは、外国人が日本に居住するうえで必要なさまざまな手続きを支援する「生活コンシェルジュサービス」も実施しています。
(左)富士山をモチーフにした、波佐見焼のセラミックコーヒーフィルター。
(右)テーマ展示「弟子と親方展」の様子。