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港区探訪

港区‒自慢の宝ものを訪ねて

第36回 NHK放送博物館

3階「ヒストリーゾーン」の入口

3階「ヒストリーゾーン」の入口には、各時代の歴史的瞬間を切り取った映像や写真が並びます。

世界で最初の放送専門ミュージアム

100年前に使われた放送機材の実物展示のほか、映像展示や体験コーナーまで、
見どころいっぱい!幅広い世代が楽しめるスポットです。

日本における放送の歴史をたどる博物館

今から100年前の1925年3月22日、芝浦に設けられた東京放送局(現NHK)の仮放送所から、日本で初めてのラジオ放送が行われました。その4か月後には、23区内の自然地形で最も標高が高い愛宕山に初代局舎が完成。以来、ラジオやテレビの放送は、災害や戦争などのニュースから娯楽番組まで、あらゆる情報を私たちに伝え続けてきました。
NHK放送博物館は、かつて初代局舎が建っていた愛宕山の上にあります。1階では連続テレビ小説などNHKの番組に焦点を当てた展示、中2階ではスーパーハイビジョン映像を楽しめる8Kシアターや放送体験スタジオ、2階では「ドラマ」「オリンピック」「音楽」「こども番組」のテーマ展示、3階は放送100年の歴史を紹介するゾーンとなっており、見ごたえたっぷりです。
中でもじっくり楽しみたいのが、3階の「ヒストリーゾーン」です。鉱石ラジオに耳を当てて聞いていたラジオ放送開始当時から、どこでも気軽にテレビが楽しめる現代に至るまでの軌跡を、実際に使われた機材や映像などを通して紹介しています。さらに今年から、ヒストリーゾーンの展示内容を解説する音声ガイドも設置されました。音声ガイドは公式ホームページでも聞くことができます。
玉音放送の原盤をはじめ、貴重な史料が多数展示されているNHK放送博物館。一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

NHK放送博物館内でも自宅でも楽しめる
「音声ガイドツアー」はこちらから▶
音声ガイドツアーQRコード
仮スタジオ
ダブルボタンマイク

愛宕山に局舎が完成するまでは、マイク1本の仮スタジオから放送されました。仮スタジオを再現したコーナーには当時使われていたダブルボタンマイクが。

1936年製造の蓄電池内蔵ラジオ。
資材を節約した規格のラジオ

(左)1936年製造の蓄電池内蔵ラジオ。
(右)1942年製造。戦時下は金属などの使用が制限されたため、資材を節約した規格のラジオが作られました。

玉音盤
録音機

(左)昭和天皇が太平洋戦争の終結を国民にラジオ放送で伝えた玉音放送。その声を収録した「玉音盤」のうちの1枚です。
(右)玉音盤の録音に使われた「電音円盤録音機」と同じモデルの録音機を展示。

歴代の報道用テレビカメラ
東京、大阪、名古屋でそれぞれ開局した放送局
放送体験スタジオ
歴代の子ども番組の着ぐるみなどを展示するコーナー

(左上)放送技術の進化をたどる特別展示。NHKの番組制作で使われた歴代の報道用テレビカメラがずらり。
(右上)東京、大阪、名古屋でそれぞれ開局した放送局は、放送開始の翌1926年に合同して社団法人日本放送協会(NHKの前身)となりました。ラジオ放送網は段階的に全国に広がり、1935年には27局に。
(左下)ニュースキャスター気分が味わえる放送体験スタジオ。
(右下)歴代の子ども番組の着ぐるみなどを展示するコーナー。懐かしいキャラクターに再会できるかも!?

さぐり式鉱石ラジオ さぐり式鉱石ラジオ(1925年)。鉱石を使って電波から音を取り出す「鉱石ラジオ」は、安価で仕組みが簡単だったため、放送開始当初は広く使われていました。

昭和天皇が視聴していたテレビ 戦争により一時中断されていたテレビ放送の研究が1946年に再開され、1953年にNHKによるテレビ放送が始まりました。写真右手にあるのは昭和天皇が視聴していたテレビです。

学芸員 学芸員の川村 誠さん。「世界で初めて放送専門の博物館として開館した、世界的にも珍しいミュージアムです。100年にわたる放送文化や技術開発の足跡をぜひ体感してください!」

NHK放送博物館

map

住所: 港区愛宕2-1-1
開館時間: 9:30~16:30
休館日: 月曜(祝日・振替休日の場合は翌日)、年末年始
入館料: 無料
アクセス: 日比谷線「神谷町」駅徒歩8分、
日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅徒歩10分、
都営三田線「御成門」駅徒歩10分、
銀座線「虎ノ門」駅徒歩13分