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港区探訪

港区‒自慢の宝ものを訪ねて

第38回 アドミュージアム東京

名作キャッチコピーが次々と投影される壁面展示

「わたしたちはわかりあえないからこそ」展では、ジェンダーギャップを題材とした国内外の広告約60点を紹介。

日本唯一の広告専門ミュージアム

ポスターや新聞広告、テレビCMなど、多彩な広告資料を展示する施設。
社会や人々の姿を映し出す「広告」の魅力を再発見できます。

江戸時代から現代までの広告資料が一堂に!

アドミュージアム東京は、(株)電通の第4代社長である吉田秀雄の生誕100周年を記念し、2002年に開館した広告専門のミュージアム。館内は常設展示室・企画展示室・ライブラリーの3つのゾーンに分かれています。
 常設展示室では江戸時代から現代にいたるまでの日本の広告の歩みを時系列で紹介。驚くことに、タレント広告や企業タイアップといったマーケティング手法は江戸時代にはすでにあり、当時の錦絵に人気の歌舞伎役者が商品を宣伝する様子が描かれています。また、明治から昭和にかけて制作された広告の中には、今見てもまったく古さを感じさせない洗練されたデザインの作品が多数あり、思わず目を奪われます。
 企画展示室では年間約6回の企画展を実施。現在は国内外の広告事例を通してジェンダーギャップについて考える「わたしたちはわかりあえないからこそ」展を開催中です(8/30(土)まで)。デジタル機器を活用したさまざまな体験型の展示に触れながら、ジェンダーギャップに対する考えを深められます。
 そのほか、広告関連図書などを約3万点揃えているライブラリーや、オリジナルグッズが充実したミュージアムショップなど、見どころがたくさん。入場無料なので、ぜひ気軽に訪れてみてくださいね。

模型看板
デジタルコレクションテーブル

(左) ︎江戸時代の商店の軒先には「筆」「かつら」など、各商店の取り扱い商品が一目でわかる模型看板が飾られていました。展示は全て実物です。
(右) 常設展示のデジタルコレクションテーブル。1953年以降の国内外のテレビ・ラジオCM、ポスター、新聞広告など約3,000点を観賞できます。

広告作品

1960~70年代は高度経済成長を背景に、エンターテインメント性に富んだ広告作品が数多く登場しました。中には「男は黙ってサッポロビール」(1970年)など、その時代ならではの表現も。広告が時代を反映する鏡であることを実感できます。

広告資料
錦絵

(左)明治後期から昭和初期の広告資料を展示するエリア。
(右)歌舞伎『助六由縁江戸桜』の様子を描いた江戸時代の錦絵。劇中に「山川白酒」「袖の梅」など実在の商品名がさりげなく出てきます。いわば“企業タイアップ”の先駆けでした。

絵コンテ

インパクトのある広告で知られる「金鳥」のテレビCMの絵コンテ。手書きで描かれており、 味わいがあります。

企画展
ライブラリー

(左)鮮やかな色使いが目を引く企画展。
(右)デザインに関する専門書が充実したライブラリー。

副館長 副館長の渓 朋子さんは「広告を通じて各時代の社会情勢や文化、流行が見えてきます。広告に興味がある方もない方も楽しんでいただける内容です」と話します。

アドミュージアム東京

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住所: 港区東新橋1-8-2 カレッタ汐留内
開館時間: 12:00~18:00
休館日: 日曜、月曜
入館料: 無料
アクセス: 都営地下鉄大江戸線「汐留」駅徒歩1分、
ゆりかもめ「汐留」駅徒歩2分、
都営地下鉄浅草線「新橋」駅徒歩4分、
JR・東京メトロ銀座線「新橋」駅徒歩5分