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地域で活躍している人のほか、地域の活動を幅広くご紹介します。

地元の方々に育てられ、恩返しの特別公演を

麻布演劇市実行委員会 実行委員長  斉城 薫さん

麻布演劇市実行委員会 実行委員長

斉城 薫 さん

池袋や下北沢、台東区のしたまち演劇祭等、都内各地に地域と密着した演劇祭があります。そうした中でも26年という長い歴史を誇るのが、港区の麻布演劇市。現在、11の団体が年8回、麻布区民センターで公演を行っています。

「もともと港区に俳優座があった縁で、この麻布区民センターができた時、ほかと違う事、インパクトのあるものをやりたいと、そこで考えついたのが演劇市だったそうです。俳優座の佐伯赫哉さんが中心となってアマチュアの劇団に声をかけ、陰で千田是也さんが動いてくださって平成元年に麻布演劇市が始まりました。市場のように、いろいろな劇団のさまざまなお芝居を気軽にみていただけるように、と“演劇市”という名称にしたそうです」と説明してくださるのは、麻布演劇市実行委員長の斉城薫さん。麻布演劇市スタート当初から参加している劇団“演劇集団土くれ”の女優さんでもあります。

麻布演劇市の特色は「ほかにはない京劇や、朗読、ブレヒトの翻訳もの等、舞台がバラエティに豊んでいること」と斉城さん。運営も、各団体から運営委員が出て、月に一回実行委員会を開き、区民センターと協力しながら、民主的に進められています。「それが長く続いている秘訣なのかなぁと思います」。自分たちの公演だけでなく、区民センターの『ふれあいまつり』を裏方として手伝ったり、麻布アクターズスクールに協力する等、地域に密着した活動を行っています。

3月30日には『麻布演劇市25周年記念感謝祭』の特別公演も予定しています。「本当は26年目ですが、2年かけて予算を積み立て、企画を練って準備してきました」。公演は異なる演出家による2部構成で、第1部は実行委員会の抱える問題を笑える寸劇に仕立て、第2部は、東日本大震災を忘れまいと、金子みすずの詩に愛と祈りを込めて朗読します。

「舞台が終わると、知らない方から役名で呼ばれて握手を求められたり、『笑ったし、泣いた。また観に来ます』と言ってくださる方がいて、また来年もがんばらなければ、と思います。本当に、区民の皆さんに支えられ、続けてこられたと思います。地元の皆さんに感謝を込めて公演しますので、ぜひ見に来てください」。