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●一人ひとりに寄り添った指導を目指し女性専門のパーソナルトレーナーに

健康的で女性らしい体づくりのためのトレーニング法を指導している石川春奈さん。石川さんがトレーナーを目指したのは高校生の頃でした。「中学時代からソフトボールに打ち込んでいました。ある時、肩を痛めてしまったのですが、治療院に通ううちに痛みがなくなり、競技を再開できたんです。これはすごい仕事だなと思って」。
　この経験を機に、アスリートを支えるトレーナーの仕事に興味を持ち、トレーナーを養成する専門学校に進学。卒業後は、フィットネスジムのインストラクターとして勤務するかたわら、高校の女子ソフトボール部のトレーナーを務めることになりました。競技のためのトレーニング指導を行うのが石川さんの役目でしたが、相手は思春期の女の子たち。プレー以外の悩みを相談されることも多かったそうです。「例えば、本当はスリムでいたいのに競技力向上のために筋肉をつけなくてはいけないことに葛藤していたり、人間関係の悩みだったり、月経の悩みだったり……。そういう相談を受けても、スポーツの現場でしか働いたことのなかった私は、何もアドバイスしてあげられませんでした」。しだいに一人ひとりの心と体に合った指導をしたいと考えるようになった石川さんは、パーソナルトレーナーとして独立することを決意しました。

●心が揺らいだ時の自分なりの対処法を見つけよう

パーソナルトレーナーになったばかりの頃、石川さんは自分の体を使い、1か月で10kg太り、2か月で15kg痩せるという実験を行いました。理由は「ダイエットに真剣に取り組んだことがなかったので、一度本気でやってみようと思った」から。やってみて気づいたことは数多くありましたが、なかでも「短期間で15kgもの体重を落としてはいけない」という教訓は、その後のトレーニング指導に大きく影響しているそうです。「急激なダイエットは体に負担がかかります。私も半年以上、月経が止まりました。でも痩せたい一心で頑張りすぎてしまう女性は多いです。お客様がそういう状態になった時には、ストップをかけるのもトレーナーである私の役目です」。
石川さんのもとには、ダイエットのほか、姿勢改善、筋力アップなどを目的とした女性たちが通っています。どの部位を鍛えるべきかは人それぞれですが、女性らしい体つきに欠かせないのが骨盤周りの筋肉なのだとか。「骨盤の中には女性ホルモンに関わりの深い子宮があります。骨盤周りの筋肉を動かすことで、女性ホルモンが安定的に分泌されるのです」。そして、実は運動よりも大切なのが心の安定なのだそう。「精神面が整っていないとダイエットやトレーニングは成功しません。とはいえ、誰でも心に揺らぎがあるのは当然のこと。揺らいだあと、心がまた元の場所に戻れるための対処方法を自分で見つけておくといいですね。コーヒーを飲んだり、ペットを抱きしめたり、その人なりの方法があるはずです」。
石川さんは3月に、小さな子どもをもつママのためのストレッチ講座を開催します。「寝かしつけや抱っこをしながらできるストレッチなど、育児中でも取り入れやすい動きをお伝えします。ママたちが自分の体を大切にできるお手伝いができれば」と語ります。

丸いヒップをつくる！骨盤周りのストレッチ＆トレーニング

「毎日を心地よくすごせるカラダへ　ママのための骨盤ストレッチ」の講師を務める石川春奈さんに、自宅で気軽にできるストレッチ＆トレーニングを教えていただきました。「ほぐす」「のばす」「きたえる」の3セットを行うことで効果アップ。ぜひお試しください！

1　ほぐす

手をグーの形にして、お尻の大転子（だいてんし）という骨の上や後ろをぐりぐりしてほぐす。

寝て行うと楽にできます。
①あお向けに寝て、両ヒザを立てる。
② 右のお尻（ほぐしたい部位）の下にグーの手を置き、右ヒザを倒したり、立てたりを繰り返す。
※左右両方行いましょう。

POINT
手ではなく、ストレッチボールやテニスボールなどを使ってもOK

2　のばす

①あお向けに寝て両ヒザを立て、右の足首を左ヒザにかける。

②そのまま左足を持ち上げ、両手で左足を支えて姿勢をキープする。「1 ほぐす」でほぐした筋肉をのばすイメージで。
※左右両方行いましょう。

3　きたえる

①両手と両ヒザを床につける。

②片足を真横に上げて、3秒キープしたら、ゆっくりおろす。
※左右20回ずつ行います。

POINT
足を上げるとき、体が傾くと、お尻の筋肉に負荷がかかりません。骨盤の位置を固定させたまま、足を真横に上げましょう。

良い例

悪い例