ここから本文です。

ふれあいコラム

今、話題の人物をクローズアップ!
落語家 柳家三三さん

落語家

柳家三三 さん

24時間365日いつも柳家三三です。

落語と深い関わりのある港区で開催されている「みなと毎月落語会」は、7月で150回を迎える運びとなりました。これを記念して、「柳家三三独演会」が開催されます。〝超売れっ子″の噺家、三三さんの素顔に迫ります。

落語を始めたきっかけをお教えください。

落語を始めたきっかけは……、落語家になったからですよ! なぜ落語家になったかって? それは、学校行って勉強するのがイヤだったからです。中学を卒業したとき、小三治師匠に入門させてほしいと頼んだんですけど叶わなくて、仕方なく高校へ進学しました。高校を卒業するときに再度頼み込んで入れてもらいました。これが理由の半分です。もう半分は、落語が好きで好きでたまらなくて、聞いてるだけじゃ勿体ないと思ったからなんですよ。

みなと毎月落語会には、師匠である柳家小三治様にご出演いただいております。

師匠はね、怖いですよ、やはり。でも、うんと優しい。落語の技術的なことは、ほとんど教わっていませんが、生きている背中を見させてもらっている。これですね。

25年間、落語を続けてきた中で、苦労されたことやつらかったこと等、エピソードをお教えいただけますでしょうか。

あァ、どんな出来事も噺家ならば当り前なんだろうと思っているから、つらいとか苦労したとかいう気はしません。私には、落語家でいたい、落語をしゃべりたいという気持ちより強い感情はないのでしょう。あとは、ものすごく物忘れが良いから大抵のことを忘れてしまう。だからストレスが残らないのかな。

一番嬉しかったこと、または印象に残っているエピソードをお聞かせください。

好きな噺を演じて、それで生きてる。これを当り前と思わず、世の中でこんなに恵まれた境遇は、なかなかないって。いつも、これだけは忘れないようにしています。

大変お忙しいと思われるのですが、休日等はどのようにしてリフレッシュ等されているのでしょうか。ご趣味等お教えいただけますでしょうか。

休日ね。休日ったって……。仕事のない日は失業しているってコトですからね。ウキウキできません。私はオンとオフみたいな賢い考え方がうまくできないので、24時間365日いつも柳家三三です。しいて言えば、自分の知らない楽しみを人に教えてもらうのが、楽しみですね。

最後に、7月の「みなと毎月落語会」は150回記念公演です。お客様に一言お願いいたします。

私は落語をしゃべっている時が一番楽しいんですが、お客さんのいないところではしゃべっても楽しくないんですよね。楽しい時間は、みんなで過ごせるとより楽しいと思います。これからも「みなと毎月落語会」を……。そうですね、毎月という名がついていますが、隔月ぐらいでいいからかわいがってください。7月にお目にかかれるのを楽しみにしています。

プロフィール

落語家 柳家三三(やなぎやさんざ)さん

柳家三三(やなぎやさんざ)さん
1974年神奈川県生まれ。1993年10代目柳家小三治に入門。2006年真打昇進。第9回北とぴあ若手落語競演会大賞(1999年)、平成15年度にっかん飛切落語会若手落語家大賞(2004年)、平成19年度文化庁芸術祭新人賞(2007年)、平成27年度(第66回)文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞(2016年)等、若手噺家に贈られる数々の賞を受賞。映画、漫画等、落語を題材にした作品の監修を務め、幅広い分野で活躍中。