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ふれあいコラム

今、話題の人物をクローズアップ!
公益社団法人日本女子プロ将棋協会 代表理事 女流棋士 中倉宏美(なかくらひろみ)さん

公益社団法人日本女子プロ将棋協会
代表理事 女流棋士

中倉宏美さん
(なかくらひろみ)

女流棋士の対局を目の前で観戦!
将棋の楽しさを知ってほしい

4月23日(日)、第81回将棋女流棋士1dayトーナメント「第3回卯月カップ」が伝統文化交流館で開催されます。この大会を主催する日本女子プロ将棋協会の代表理事で、現役の女流棋士でもある中倉宏美さんに、将棋をはじめたきっかけや、卯月カップの見どころをうかがいました。

将棋をはじめたいきさつを教えてください。

父がとても将棋が好きで、4歳のときに将棋のルールを教わりました。はじめは父も軽い気持ちだったと思うのですが、だんだん熱が入ってきて。小学生の頃には、学校から帰るとすぐに将棋道場に行くという日々を送るようになりました。
将棋は大人と子どもが同じルールで戦えますし、子どもが大人に勝つこともあります。そうした勝負の面白さもあって、将棋にどっぷりはまっていったんです。

女流棋士を目指したきっかけは何ですか?

将棋漬けの生活は、中学生、高校生になっても変わりませんでした。自分の時間のほとんどを将棋に捧げていたので、将棋を指して食べていきたいと考えるようになったのは私にとって自然な流れでした。
「女流棋士」という制度があるのも大きかったですね。「棋士」と「女流棋士」 は性別の違いだけではなく、制度が明確に分かれています。棋士になるには四段に昇段する必要がありハードルが高いです。一方、女流棋士は研修会 (女流棋士を育成する機関)で規定の成績を収めることでプロとして認められます。女性が棋士を目指すこともできますが、今のところ四段になった女性はいません。私は中学1年生のときに、当時女流棋士の養成機関である育成会に入り、 16歳で女流棋士としてデビューしました。

将棋の魅力はどんなところだと思われますか?

たくさんありますね。まずは奥深いところ。近年はAIで将棋の戦略を考えることも浸透していますけれども、いまだ必勝法は編み出されていません。盤上の心理も面白いですし、子どもから年配の方まで同じルールで戦えるところも魅力だと思います。
将棋の勝ち負けには運の要素がほとんどなく、100%実力です。だから負けても納得感があるんですよね。何年やっていても学ぶことが山ほどあって、飽きることがありません。

日本女子プロ将棋協会はどのような活動をしているのですか?

元々は棋士も女流棋士も全員、日本将棋連盟という団体に所属していたのですが、運営の中心は棋士である男性の方々でした。そこで、女流棋士が活躍できる場を女流棋士の手によって作っていこうと、2007年に設立されたのが日本女子プロ将棋協会(LPSA)です。
LPSAでは女性を対象にした将棋大会や将棋普及のためのイベントを数多く開催しています。将棋界はまだまだ女性の割合が少なく、女性プレイヤーは1割いるかどうか。それを男女半々にするのが私たちの目標です。
将棋はストイックなゲームだと思われがちで、確かに真剣勝負ならではの面白さもあるのですが、もっとわいわいと楽しんでいいものだと思うのです。私たちが毎年開催しているアパガード杯という女子アマチュアの大会は、5人1組のチーム戦なので一人ひとりの勝ち負けにこだわりすぎることもなく、みんなでおやつ交換をしながら和気あいあいと将棋を楽しんでいます。最近は「観(み)る将(しょう)」といって、自分では指さないけれど将棋を見ることが好きなファンも増えてきて、嬉しく思っています。

卯月カップの楽しみどころを教えてください。

普段は密室で行われる将棋の対局を、目の前で観戦できる貴重な機会です!舞台脇に大盤を用意し、棋士の先生が指し手や戦局についてわかりやすく解説してくれるので、将棋のルールを知らなくても楽しめます。女流棋士が競い合い、1日で優勝者を決める1dayトーナメント形式です。優勝者当てクイズなどのイベントや、港区に在住・在学・在勤の方へのプレゼントなども企画していますので、お子さまから年配の方まで多くの方にぜひ足を運んでいただきたいです。伝統文化交流館という歴史ある和の空間で将棋を指せることを私も楽しみにしています。当日、会場でお会いしましょう!

プロフィール

公益社団法人日本女子プロ将棋協会 代表理事 女流棋士 中倉宏美(なかくらひろみ)さん

中倉 宏美
東京都府中市出身。小学生で女流アマ名人戦準優勝、女流アマ王将戦優勝。中学1年生で女流育成会に入会。規定の成績を収め、1995年、高校2年生で女流棋士となる。2007年の公益社団法人日本女子プロ将棋協会(LPSA)設立にともない、日本将棋連盟から移籍。2014年からLPSA代表理事。姉は中倉彰子女流二段。姉とともに姉妹棋士として映画「とらばいゆ」のモデルとなった。

公益社団法人日本女子プロ将棋協会 代表理事 女流棋士 中倉宏美(なかくらひろみ)さん
公益社団法人日本女子プロ将棋協会 代表理事 女流棋士 中倉宏美(なかくらひろみ)さん
公益社団法人日本女子プロ将棋協会 代表理事 女流棋士 中倉宏美(なかくらひろみ)さん

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