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ふれあいコラム

今、話題の人物をクローズアップ!
(株)東京アスレティッククラブ(TAC) Basic予防医療診断士 齊藤 諭(さいとう さとし)さん

(株)東京アスレティッククラブ(TAC)
Basic予防医療診断士

齊藤 諭さん
(さいとう さとし)

港区の皆さんの健康維持に貢献したい…
そんな思いで「健康測定会」を行っています

「健康づくりのアドバイスがわかりやすい」と好評のKissポート「健康測定会」。長年、Basic予防医療診断士として講師を務めてきた(株)東京アスレティッククラブの齊藤 諭さんに、「健康測定会」の内容や心とからだの健康づくりについておうかがいしました。

東京アスレティッククラブと港区とのつながりについて、教えてください。

15年ほど前から、港区のスポーツ施設や「健康測定会」の管理運営などを担当させていただいています。港区での「健康測定会」ではリピーターの方もいらっしゃいますが、港区民の皆さんの健康維持に継続的に貢献できることは、とてもうれしいことです。当社は日本ではじめて生まれた会員制スポーツクラブで、今年で創業53年目になります。乳幼児からシニアまで、幅広い年齢層に向け、「心とからだの健康づくり」をめざして運動指導を行っています。地域に根ざしたスポーツクラブで、3世代にわたって通ってくださっているご家族もいます。長年の経験で培った地域での健康づくりのノウハウを、さまざまな場所で生かしていけたらと考え、活動の場を広げています。

健康づくりのアドバイスをするとき、どんなことに気をつけていますか?

「健康測定会」では、「3Dボディコンディショナー」と「歩行測定器」を使って、からだの筋肉や動作を分析します。その分析結果によってからだの見えない部分を可視化すると、今まで気づかなかったからだの使い方の癖やゆがみなどに気づくことができます。機械による分析結果と目で見て気づいた部分、生活習慣や体調などについてのヒアリングをもとに総合的に判断して、正しい姿勢や歩き方、気になる症状のケア方法や運動方法などについてアドバイスしています。
機械による分析結果も大事ですが、私はとくに対話から引き出された情報を重視して、アドバイスを行っています。たとえば、「巻き肩になっていて、猫背にもなっていますね。スマホをよく見る方は巻き肩になりやすいんです」とお伝えすると、「そういえばスマホやパソコンばかり見ています。実は座り仕事で、肩だけじゃなくて腰も痛いんです」と、対話からその方の生活習慣や不調を感じている部分を引き出せれば、より的確にアドバイスができます。以前、からだのこわばりがひどい方がいてヒアリングをしてみたら、長時間姿勢を崩せないパイロットの方でした。職業などによっても、からだの健康バランスを保つために取り入れやすい運動方法などを、アドバイスしやすくなります。
アドバイスは基本的に一人ひとりに向けたオーダーメイドです。その一方で少しでも健康づくりの知識を増やしていただきたいという思いから、多くの人に共通する肩こりや腰痛などの改善方法については、機械測定の順番を待っている方にも伝わるよう、少し大きめの声で動作をつけて解説しています。

「健康測定会」で使う機械は、どのようなものですか?

「3Dボディコンディショナー」は、センサーが内蔵された専用ベストとベルトを洋服の上から装着し、その場で腰や肩や足を動かすなどの簡単な動きをするだけでからだに関するさまざまなことが分析できます。たとえば、骨盤のゆがみ度、筋肉の前後左右のバランス、脂肪のつきやすい部位の予測、歩行状態の予測、関節の動作範囲、未来体型の予測などが分析でき、数値で表示されます。分析結果はプリントできます。からだの不調や気になる体型の原因を突き止めるのに役立ちます。結果が数値化されているのでわかりやすく、「この数字を改善するにはどうしたらいいのか」と参加者の方から質問もよく受けます。「健康測定会」のあと、アドバイス通り運動を続け生活習慣を改善した結果、次回の「健康測定会」で数値がよくなっているのを確認して、よろこばれる方もいますね。数字で結果が見えることは、運動を続けるモチベーションにもつながります。
「歩行測定器」は、専用のカメラの前で歩く動作をし、どのような姿勢で歩いているのかを画像化して、客観的に自分の歩く姿を見られるものです。姿勢やからだの左右バランスを可視化し、猫背のような歩き方を続けると将来はこのようになりますよ、という将来予想もわかります。
2つの機械を合わせ、3分ほどで測定結果が出るので、待ち時間も少なく、気軽に参加していただけます。

からだを動かすことの大切さについて教えてください。

「スポーツをすること、アクティブに動くこと」が「運動」と思いがちですが、手足を伸ばしたり、関節を曲げ伸ばしたりするなど、生活の中で当たり前に行う簡単な動きも運動です。不調の原因の多くは血流が関係しています。血流は筋肉を動かして収縮させることで促されるため、運動はさまざまな不調の予防や改善に役立ちます。
たとえば、家事は背伸びしながら、お風呂掃除のときは膝の曲げ伸ばしを意識しながらでもいいでしょう。日常のちょっとした動作を意識的に行うだけでも、からだは変わります。私は「健康測定会」などでよく、「いい姿勢を意識して動いてください」とお伝えしています。意識的に姿勢を正すだけでも腹筋や背筋が働きます。正しい姿勢を習慣化すれば、健康づくりに役立つのです。日常の動作以外にも、その方の不調の改善に役立つ軽い運動をおすすめしています。1日1分でもいいから続けて、習慣化することが大切です。

運動を取り入れることで、心のもちようも変わってきますか?

軽い運動をすると心を安定させるセロトニンやエンドルフィンといったホルモンが出るため、ストレスが解消され、心にゆとりが生まれます。ストレスや運動のしすぎは、からだのサビ(老化)の原因となる活性酸素を増やしますが、軽い運動はストレスを解消し、からだのサビの増加防止にも役立ちます。
からだの不具合や痛みが生じると行動が制御され、精神的なストレスにつながる場合もあります。そのため不具合が出る前に、からだと向き合い、運動も含めて生活習慣を変えていけば、人生の幸福度もアップすると思います。人間の体力は17歳がピークで、あとは下降する一方といわれています。この「健康測定会」を機に、現状の把握をし、予防医療として無理なく楽しく、運動を取り入れていただけたらと思います。

プロフィール

(株)東京アスレティッククラブ(TAC) Basic予防医療診断士 齊藤 諭(さいとう さとし)さん

齊藤 諭
(株)東京アスレティッククラブ(TAC)
「心とからだの健康づくり」を理念として、乳幼児からシニアまであらゆる年代に向けて、地域に根づいた会員制スポーツクラブの運営、フィットネス関連事業、介護・保育事業(運動特化型のデイサービスや、水泳、体操、剣道、バレエなどを取り入れた幼稚園類似施設の運営など)を行う。地域のスポーツイベントの運営なども行っている。中野区に本部を置き、直営店舗を、東京都、埼玉県、千葉県、大阪府、宮城県に展開している。

Tokyo Athletic Club

(株)東京アスレティッククラブ(TAC) Basic予防医療診断士 齊藤 諭(さいとう さとし)さん
(株)東京アスレティッククラブ(TAC) Basic予防医療診断士 齊藤 諭(さいとう さとし)さん

3Dボディコンディショナーでからだの見えない部分を可視化しよう!

センサーが内蔵された専用ベストとベルトを装着してからだを動かします。

①センサーが内蔵された専用ベストとベルトを装着してからだを動かします。

からだに関するさまざまな分析結果を数値で確認でき、動画で自分のからだの動きを客観的に見ることもできます。

②からだに関するさまざまな分析結果を数値で確認でき、動画で自分のからだの動きを客観的に見ることもできます。