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港区探訪

これであなたも名カメラマン!フォトジェニック港区

第6回 仕上がりは撮り手の感性次第。美術品の撮影にトライ!松岡美術館 ピラミッドの内部を思わせる静謐(せいひつ)な空気が流れる展示室。展示ケースには古代オリエント文化を代表する、色鮮やかな彩色木棺が横たわっています。

都会的なビル街、四季を感じる自然、表情豊かな海。
港区には写真におさめたくなる “フォトジェニック”なスポットがたくさん。
あなたもカメラ片手に港区探訪!

悠久の時を超えた、貴重な美術品がずらり

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❶ 明るく開放的なエントランスで存在感を放つブロンズ像。
❷ 西洋からは、ローマ期の彫刻も蒐集。写実的で陰影の深い造形が特徴です。
❸ 細かい装飾が施されたヒンドゥー教の石像は、間近で見ても見ごたえ充分。

実業家・松岡清次郎の
夢が詰まった私立美術館

白金台駅から恵比寿方面へ。外苑西通り(プラチナ通り)を少し脇へと入った閑静な場所に、「松岡美術館」はあります。ここは都や区が運営する施設ではなく、私立の美術館です。大正〜昭和の実業家・松岡清次郎氏が自ら買い付けたコレクションを展示するため、1975年に創設しました。今年で設立40周年を迎えます。

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ずらりと並んだ仏像。鑑賞ポイントの案内もあります。

ここには、西洋・東洋や時代を問わない様々なジャンルの美術品が展示されています。常設展示では、古代オリエント美術、現代彫刻、古代東洋彫刻を見ることができます。さらに、1,800点以上の所蔵品の中からテーマを定めて展示作品を選ぶ企画展も開催しています。独自の価値観で蒐集(しゅうしゅう)できるのは私立美術館だからこそ。多彩な作品群と確かな審美眼は世界でも認められていて、ルーブル美術館の学芸員が「日本で一番行きたい美術館」として名をあげるほどです。

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窓際の展示品は、光の当たり方で写真の仕上がりが一変します。

そしてもうひとつの特徴が、「写真撮影・デッサンができる」という点。通常の美術館では撮影や模写は厳禁ですが、松岡美術館ではマナーに配慮した上で、作品を写真や絵という形で自由に持ち帰ることができるのです。並んでいる美術品は一級品ばかり。間近で見ても美しさを味わえますが、作品から受けた感銘を自分なりに表現することで、新たな視点が見つけられるかもしれません。時を超え、国境を越えてここに集う作品たちは、ファインダー越しにも見る者の心をつかむ魅力を放っています。

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四季折々の自然を楽しめる中庭を見ながら、ロビーでひと休み。

ワンポイントテクニック!
同じ像でも別の顔!?ベストなアングルを見つけよう

陰影がつくる豊かな表情を逃さずとらえて表現しよう

石像、銅像を撮影する際には、被写体となる像の「表情」にこだわりましょう。当然、形が変わることはないのですが、カメラを向ける角度や照明の当たり方で、驚くほど印象が変わります。作品と向き合い、最も美しいと感じた角度、作品の魅力が伝わる撮り方をじっくりと考えてから、カメラを構えてみてください。迷ったら、複数のパターンで撮ってみて後で見くらべてみましょう。グッと腕前があがりますよ。

例:ヘレニズム後期の石像。アングルの違いだけでこんなにも印象が変わります。

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アクセス

松岡美術館

松岡美術館 地図

港区白金台5-12-6
各線 白金台駅より徒歩6分
JR 目黒駅より徒歩15分

※フラッシュ撮影とデジタルカメラの操作音は厳禁となっています。デッサンの場合は、鉛筆のみ使用可能です。

※著作権により保護されている作品の二次使用に関する責任は美術館では負いませんのでご了承ください。

はみだし情報

松岡美術館は「美に囲まれて自分の一番よい時間を過ごすことができる」場所をめざしています。来館者は、美術品のデッサンに何ヶ月も通ったり、お気に入りの空間として館の雰囲気を楽しむ等、思い思いの過ごし方をされています。

取材協力:松岡美術館