ここから本文です。
どこから眺めても美しいですね。ずっと眺めているだけで美しい響きが聞こえてくるようです。
ホールの入口は、アーク・カラヤン広場にあります。金色に輝くモニュメントが気になりますね。真下から見ると「響」という文字をデザインしているのだとか。音を楽しむ仕掛けが、もう始まっています。
正面玄関の上部にはパイプオルゴールが設置されています。正午とコンサート開場時に現れ、幻想的な演奏を披露してくれますので、お聴き逃しなく。
写真左)人形たちの動きに、思わず見入ってしまいます。画像提供:サントリーホール
写真右)半円が並べられ、音の響きが広がる様子を表現しています。
ロビーに足を踏み入れると、キラキラと輝くシャンデリアの光が迎えてくれます。6630個ものオーストリア製クリスタルガラスがフレームに埋め込まれている「光のシンフォニー」は、アルコールの分子構造をイメージして制作されました。ここで後ろを振り返ってみましょう。入口上部には壁画とステンドグラスがあります。石の壁画は「響」、ステンドグラスは「律」がテーマです。楽しげに並ぶモチーフは、さまざまな楽器や、たくさんの人が紡ぐ音楽となって、空間を彩っています。
写真左)楽譜に並ぶ音符のように、モザイクのモチーフが踊っています。
写真右)凹凸があるガラスを通して差し込む光は柔らかく、優しさを感じます。
英語で「Blue Rose」は不可能の代名詞とされてきましたが、サントリーが「青いバラ」の開発に成功し、不可能を可能に変えました。このことからアーティストに、いろいろな可能性を試してほしいと、小ホールを「ブルーローズ」と名づけました。
写真左)階段の手すりには、麦のモチーフが配されています。こんなところもサントリーらしい。
写真右)小ホールの入口には象徴である青いバラが。
大ホールのシャンデリアは、シャンパンの泡が立ち上る様子をデザインしました。
画像提供:サントリーホール
大ホールへと進みましょう。日本初のヴィンヤード形式のホールです。ヴィンヤードとはブドウ畑という意味で、ブドウの段々畑のように客席を配置してあるため、消え入るようなピアニッシモの美しい響きまでもホールのすみずみまで届きます。音響的にも視覚的にも演奏者と観客が一体感を味わうことができます。故ヘルベルト・フォン・カラヤン氏が熱心に提案して採用されました。ヴィンヤード形式にちなみ、座席もワインレッドでブドウ柄になっています。
座席は座り心地も良く、気分が華やぎます。
正面にはパイプオルガンがあります。このパイプの数、どのくらいだと思いますか? 正解は5898本。世界でも最大級の大きさです。8月をのぞく月に1回、木曜日のランチタイムには、気軽に鑑賞できる無料コンサートが開催されます。
世界に誇るサントリーホール。コンサートで訪れる際には、ホールの隅々まで楽しんでください。
〒107-8403 港区赤坂1-13-1