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港区探訪

港区とスポーツ 今昔STORY

第2回 トライアスロン

お台場海浜公園 写真

東京2020大会のトライアスロン競技会場、お台場海浜公園。お台場では例年、日本選手権が行われており、日本のトライアスリートにとっての聖地といわれています。

© Satoshi TAKASAKI/JTU

知れば知るほど面白い、見どころいっぱいの複合競技

トライアスロンはラテン語の「3(トライ)」と「競技(アスロン)」から名付けられたスポーツ。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、港区にあるお台場海浜公園がスタート・フィニッシュの会場となります。

約50年前に誕生した新しいスポーツ
幅広い世代から人気上昇中

トライアスロンはスイム(水泳)、バイク(自転車)、ラン(ランニング)の3種目を1人の選手が続けて行う競技。発祥はアメリカで、サンディエゴの陸上競技クラブのメンバーたちがこの3種目を組み合わせて「トライアスロン」と呼び、1974年に最初の大会を開催したことから歴史が始まりました。その後、世界中で人気が高まり、2000年シドニーオリンピックからオリンピック正式種目となっています。

トライアスロン スイム 写真
トライアスロン バイク 写真
トライアスロン ラン 写真

東京2020大会では選手たちがお台場の海に飛び込むところから競技がスタート。ランやバイクは市街地を走るので、沿道で観戦すれば選手の息づかいを間近に感じられます。

日本では1981年、鳥取県米子市にある皆生温泉で旅館組合の青年たちが「日本で開催されたことのない、海を生かしたスポーツ」をテーマに企画を立て、国内初のトライアスロン大会を開催しました。現在では全国で数多くのトライアスロン大会が開催されています。一見、過酷な競技に見えますが、3種目とも難しくない有酸素運動であり、また短いコースの大会も用意されているため、実は子どもから高齢者まで参加しやすいスポーツです。国内には37.5万人ものトライアスロン愛好者がおり、なんと87歳の現役アスリートもいるそうです。

トライアスロン バイク「ドラフティング」 写真

バイクでは、先行する選手の真後ろに付いて空気抵抗をよける「ドラフティング」という戦略があります。時には選手同士が位置を入れ替わりながらドラフティングすることでお互いに体力消耗を防ぐことも。ライバル同士なのにまるでチームのように動くという、なんとも不思議な光景を見られるかもしれません。

着替え時間もタイムのうち!
トライアスロンは「経験と戦略のスポーツ」

1つの競技に3種目が含まれるトライアスロンは、選手によって種目ごとの得意・不得意があり、目まぐるしく順位が入れ替わります。ドキドキハラハラしながら楽しめるレース展開はこの競技の大きな魅力です。また、スイムからバイク、バイクからランへと種目を切り替える準備の時間(トランジション)にも注目。少しでも早く次の種目に進むためにトップアスリートがトランジションにかける時間はたったの数秒!ヘルメットをかぶりやすい向きにセットしておいたり、シューズが履きやすくなるようベビーパウダーを付けておいたりと、各選手がさまざまな工夫を凝らしています。東京2020大会では港区台場が舞台となるトライアスロン。目の前で繰り広げられるレースをお楽しみに!

トライアスロン トランジション 写真

トランジションも競技時間に含まれるため「第4の種目」と呼ばれます。時間短縮のために選手たちがどんな工夫をしているかを見つけるのも楽しいですよ。

編集協力/公益社団法人 日本トライアスロン連合、皆生トライアスロン協会

 column
トライアスロンを知ろう!

タイムではなく着順を競う競技です。大会によってコースや距離が異なるため、世界記録は存在しません。東京2020大会(個人)では以下のコースが予定されています。

◎ 個人(男子/女子)距離

・スイム(水泳) 1.5km

・バイク(自転車) 40km

・ラン(ランニング) 10km

日本トライアスロン 初代チャンピオンのゴール写真

初代チャンピオンがゴールする様子。当時の大会参加者は19~66歳までの53人でした。

日本初トライアスロン大会 写真

40年前に、鳥取県皆生温泉で開かれた日本初となるトライアスロン大会。スイム・バイク・ラン合わせて102.2kmの過酷なレースでした。皆生温泉では現在に至るまで毎年トライアスロン大会が開催されています(今年は中止)。

(上写真2点/皆生トライアスロン協会提供)