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1900年から現代までの歴史を紹介するコーナー。発売当初、「味の素®」の容器には薬瓶が使われました。
時代ごとの人々の暮らしや世相を感じ取りながら、100年以上にわたる日本の食卓の変化を楽しく学べる博物館です。どなたでも無料でお楽しみいただけます。
「食とくらしの小さな博物館」は、味の素グループの研修センターの2階にあります。うま味調味料「味の素®」が誕生した明治後期から現在までを4つの時代に区切り、日本の食生活の変遷を詳しく紹介しています。
見どころは、各時代の食卓風景を立体的に再現したコーナー。畳敷きの和室で家族がちゃぶ台を囲んでいた昭和初期にはじまり、戦後にキッチンと同じ空間に食卓があるダイニングキッチン方式へと変化し、しだいに便利な調理家電が増えていく様子など、私たちの食卓がどのように移り変わってきたのかが一目でわかる展示となっています。また、味の素グループの沿革とともに、その当時に流行ったものやコマーシャル映像が紹介されており、時代ごとの人々の暮らしや世相を感じ取ることができます。
この博物館が建つ場所は、味の素グループの創業者である二代目鈴木三郎助が購入して自邸を建築し、その後を継いだ三代目三郎助が暮らしました。戦後に「味の素記念館」として社員研修などに使われたのち、建て替えが行われ、2004年に現在の研修センターが完成しました。それと同時にオープンしたのが「食とくらしの小さな博物館」です。当初は従業員向けの資料展示室として作られた施設ですが、一般の方も無料で入場でき、十分に楽しめる内容となっています。
若い世代は「こんな時代があったんだ!」と新鮮な驚きを感じられ、ご高齢の方には「なつかしい!」と思える、世代問わず楽しめる博物館です。ぜひご家族で足を運んでみてはいかがでしょうか。
味の素グループ創業者一族邸宅の門が今でも敷地内に。
(左上)1985年頃には多様な機能を備えたシステムキッチンが普及し、電子レンジや食器乾燥機などさまざまな家電製品も家庭に導入されました。
(左下)昭和初期の食卓。台所と食事の空間がわかれていました。
(上)1960年代頃の食卓。アメリカ流のダイニングキッチン方式が日本中に急速に普及しました。
江戸名所図会「飛鳥山」(絵師:歌川広重、時代:弘化1843-46頃)味の素食の文化センター所蔵
「食文化展示室」も無料で観覧できます。現在は、江戸時代の錦絵から当時の料理をレプリカで再現するなど、日本の料理書の歴史をひもとく常設展示が行われています。
江戸時代の花見弁当を再現。
同じ建物内には、(公財)味の素食の文化センターが運営する蔵書数4万5,000冊を誇る食の専門図書館「食の文化ライブラリー」や、江戸時代の錦絵や戦前の雑誌グラフィックを展示する「食文化展示室」が併設。食にまつわる古今東西の資料が豊富に揃っています。
1階にある図書館「食の文化ライブラリー」。食に関する書籍、雑誌、映像資料を多数収蔵しています。初回だけ登録(登録料100円)をすれば、どなたでも貸し出しや閲覧が可能です。
案内してくれたのは、味の素(株)の坂本眞紀さん。「食に少しでも興味のある方なら、きっと楽しんでいただける施設です!ぜひ一度いらしてくださいね」。
住所:港区高輪3-13-65
味の素グループ高輪研修センター
開館時間:10:00~17:00
休館日:日曜、祝日、年末年始
入場料:無料
アクセス:
都営浅草線「高輪台」駅徒歩3分、JR線・京浜急行線「品川」駅徒歩15分