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3階スキップテラスの様子。他の階も含めて、スキップテラスにはコンセント付きの座席が多数配置されています。
木漏れ日の下で仕事をするのも気持ちよさそうですね。
竹芝駅近くにそびえ立つ超高層ビルの一角に、米や野菜の無農薬栽培のほか、
養蜂まで行う「竹芝新八景」と呼ばれる場所があることをご存じでしょうか?
「竹芝新八景」は、2020年9月に開業した「東京ポートシティ竹芝
オフィスタワー」の2~6階スキップテラスを中心に展開しています。「雨・水・島・水田・香・菜園・蜂・空」の8つの景で構成されており、たとえば4階には実際に田植えや稲刈りが行われる田んぼ(水田の景)、季節の野菜を育てる畑(菜園の景)、さまざまな香りや花の美しさを楽しめるハーブガーデン(香の景)が設けられています。ここで収穫された野菜やハーブは、館内の飲食店舗で一部食材として利用されています。また、5階では春から夏にかけてミツバチの飼育が行われます(蜂の景)。ミツバチの活動範囲は3km程度といわれ、竹芝新八景内の植物の受粉を進めるだけでなく、近隣にある旧芝離宮恩賜庭園や浜離宮恩賜庭園の自然保全にもつながると期待されています。
スキップテラスは出入り自由なのでどなたでも散策が楽しめますが、竹芝新八景の取組みをより深く知りたい方には、無料のガイドツアーがおすすめです。(予約不要。水曜11:00~14:00の間で随時開催、3階まちづくりプラザで受付。)※会場の使用状況や天候などの状況によっては、中止になる場合もあります。
竹芝エリアでは現在、複数の都有地を活用した大規模な再開発が進んでいます。その中で、東京ポートシティ竹芝
オフィスタワーは官民合築の大型複合施設として誕生しました。飲食店やトイレの混雑状況が館内ディスプレイに表示されたり、ロボットが清掃や警備を担っていたりと、最先端の技術を駆使したスマートビルとしても注目されています。このビルでは、竹芝新八景の取組みを通して地域の人々に憩いの場を提供し、同時に環境負荷の低減や生物多様性の理解向上を目指しているそうです。
今後、Kissポート財団は竹芝新八景を会場としたイベントも企画していきます。ぜひチェックしてくださいね。
(左:水田の景)オフィスビルに水田が!田植えがある5月中旬から稲刈りが行われる秋までの期間は、水田でもち米が育つ様子を見ることができます。
(右:島の景)伊豆諸島や小笠原諸島など島しょ地域独特の植物やフルーツを、壁面菜園として展示するコーナー。竹芝ふ頭を擁する竹芝は、島しょ地域の玄関口にもなっています。
(香の景)四季折々のハーブや花を育てるハーブガーデン。取材時はパセリやバジルなど多彩なハーブがぎっしりと育っていました。
(菜園の景)ピーマンやナス、トマト、ブドウなど、さまざまな野菜やフルーツが季節に合わせて育てられています。
(左)案内してくれた、東急不動産(株)の簗瀬理恵子さんと事務局(株)かたばみの水野さえ子さん。「竹芝新八景のあるスキップテラスは、どなたでもご利用いただける空間です。館内には飲食店も豊富に揃っていますので、気軽にいらしてくださいね!」
(右)3階まちづくりプラザには、竹芝エリアのジオラマが。環境保全に関する図書を自由に閲覧できるコーナーもあります。
(水の景)川の断面を表現したアクアテラリウム。メダカやシマドジョウなど日本の在来種が暮らしています。子どもに大人気のコーナーです。
(蜂の景)花が豊かに咲く春から初夏にかけて、人間にとって危険がないように管理されながら都市養蜂が行われています。
(雨の景)1階の外構部分に設けられたレインガーデン。抗火石、ろ過土層、浸透れき層という複数の土壌を用いることで、雨水を地中に一時的に貯め、ゆっくりと地下に浸透させます。これにより水質浄化や水害防止などに役立ちます。写真の黄色枠は伊豆諸島新島産の抗火石。
(空の景)ビルの壁面には、絶滅危惧種となっているハヤブサのための巣箱を設置。写真は、WEBカメラで写した巣箱の中の様子。
住所:港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝
オフィスタワー内
入場料:無料
アクセスJR・東京モノレール「浜松町」駅徒歩4分、ゆりかもめ「竹芝」駅徒歩2分、
都営浅草線・大江戸線「大門」駅徒歩5分