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キスポートギャラリー

絵画・写真・俳句等港区のみなさんの作品です。

第28回 子どものびのび書展 作品展開催

子どものびのび書展は、子どもの発想力を大切にした自由な書道作品展です。
赤坂区民センターでは、力作ぞろいの応募作品264点すべてを展示します。
みなとパーク芝浦では、のびのび賞・Kissポート賞・ふれあい賞の入賞作品30点を展示します。

【展示期間】

赤坂区民センター(3階 文化情報コーナー):
3/6(木)~3/20(木・祝) 9:00~21:00
全応募作品展
みなとパーク芝浦 (1階 アトリウム) :
3/25(火)~4/4(金) 8:00~23:00
入賞作品展 ※最終日は12:00まで
※ 上記の開館時間は変更の可能性があるため、時間についてはお問い合わせください。また、赤坂区民センターは3/10(月)・16(日)が休館日のためご覧になれません。なお、みなとパーク芝浦での展示期間については変更になる可能性があります。

【問合せ】

Kissポート財団 広報・事業推進課 TEL 03(5770)6837

審査風景

審査風景

審査員よりひとこと 2025年2月1日審査会時

佐藤 浩苑 先生(毎日書道会 審査会員・清和書道会 常任理事・浩苑書道会 主宰)

今回も「のびのび書展」の審査を担当させていただきました。
いつも楽しい作品が沢山出品されるこの書展の審査はとても楽しみです。
ある保育園からの多数の出品ありがとうございました。未就学児のご指導はさぞかし大変でしたでしょう。
半紙作品にも立派な筆遣いの作品が沢山ありましたが、大きな紙に太い筆で元気よく書いたものや、絵の具を使ったもの、絵を書き加えたもの、やはり目立ちました。ぜひ一度、大きな紙に太い筆で元気よく書いてみてはどうでしょう。楽しいですよ。

外山 錦紅 先生(産経国際書会 審査会員・菽水書人社 理事・外山書道教室 主宰)

今年も新年にふさわしい華やかな書を拝見でき、光栄に思います。例年に比べ、大きな画仙紙にのびのびと書かれた作品が多く、墨を筆の根元までたっぷり含ませ堂々と表現されており、選ぶのに時間を要しました。出品数も例年を上回り、書に取り組む子どもたちが増えていることを嬉しく思います。これからも、子どもたちの自由な発想と表現力がさらに育まれることを期待しています。

森 信二(公益財団法人 港区スポーツふれあい文化健康財団 常務理事)

今年の「子どものびのび書展」には、3歳のお子さんから小学校6年生まで264作品の応募がありました。作品は、力強いものからかわいらしいものまで、さまざまな個性豊かな「子どものびのび書展」にふさわしいものがそろいました。審査していて大変楽しませていただきましたし、来年も多くのお子さんが参加してくださることをお待ちしております。

●のびのび賞

のびのび賞 受賞作品

この書展の趣旨にふさわしい、形・書き順等にとらわれない自由でのびのびした作品、味のある作品

作品 名前 学校・園名 学年
ママすき 佐々木 彩花 芝浦アイランドこども園 6歳
谷本 唯 しばうら保育園 6歳
崖の上のポニョ 渡邉 駿登 青山小学校 1年生
しゃぼん玉 小野寺 五葉 芝浦小学校 2年生
祭音踊楽遊ドンドコどん 村岡 朔太郎 白金の丘小学校 3年生
大福 二ノ坂 葵 赤坂小学校 4年生
蛇・蛙(蛇に睨まれた蛙) 野口 晃希 慶應義塾横浜初等部 4年生
柳沢 栞里 高輪台小学校 4年生
マグロ丼 山口 彩愛 芝浜小学校 5年生
皿谷 実千 港南小学校 6年生

●Kissポート賞

Kissポート賞 受賞作品

上手な作品、秀作

作品 名前 学校・園名 学年
椎尾 真子 高輪台小学校 1年生
柴村 阿弥 淑徳小学校 2年生
子いぬ 髙木 郁 早稲田実業学校初等部 2年生
山ざくら 石田 紗彩 東京農業大学稲花小学校 3年生
氷河 塩谷 亮介 白金小学校 3年生
サーモン 山口 桜華 芝浜小学校 3年生
平和 黒田 笑莉菜 芝小学校 4年生
美しい山 大塚 琴実 白金小学校 4年生
希望の朝 野地 美緒 白金小学校 5年生
夢の実現 石橋 遼 芝浦小学校 6年生

●ふれあい賞

ふれあい賞 受賞作品

のびのび賞、Kissポート賞に準ずる

作品 名前 学校・園名 学年
つくし たかはし まなな 港南幼稚園 4歳
いちねんせい 椿 結香子 飯倉保育園 6歳
げんき 海野 咲百合 芝浦小学校 1年生
はごいた 深尾 櫻 東京女学館小学校 2年生
正月 堀越 裕太郎 学習院初等科 3年生
黒猫 叶 梨婭 高輪台小学校 4年生
世界平和 椎尾 清匡 高輪台小学校 5年生
希望の朝 柴村 笑瑠 白金小学校 5年生
ケセラセラ 高野子 優花 港陽小学校 5年生
隋東宮學士 髙木 紗希 早稲田実業学校初等部 6年生

「子どものびのび書展」審査員に聞く!

毎年多くの作品を審査していただいている書道家の先生方に、本書展に携わる思いをお聞きしました。

佐藤浩苑先生

●審査基準について

各賞によって審査のための視点は変わります。「のびのび賞」は、とにかくアイデアいっぱいで、自然と笑みがこぼれるようなところをポイントに作品を選ぶようにしています。それに対し「Kissポート賞」は、古来の書道の原点でもあるように、美しい字形、正しい筆遣い、余白の使い方を重視しながら、選出するようにしています。

●子どもの字や表現方法の変化について

書は白と黒の世界という概念でいましたが、審査依頼をお受けした当時、色つきの作品に驚きました。ただ、コロナ禍を境に色つきの作品が若干減少し、子どもの元気さが心なしか少なくなったように感じます。

●本書展の今後について

画面に出てくる活字の字形に疑問を感じている昨今です。日本人が作ったひらがなは、漢字を原点に作ったものですが、画面の中の活字に少し異なった字形があります。活字をそのまま書いていることと、筆順を理解できていない子どもさんがいることが気にかかります。手書きの大切さを改めて見直して、今後にのぞんでほしいと思います。

佐藤浩苑先生

外山錦紅先生

●審査基準について

これまでの「中国の北魏や唐の時代の漢字を中心に学び、それを自身の書作に活かしてきた」経験をもとに、審査基準を設けています。ポイントとして、まずは墨の量の多さを重視。さらに、線の力強さ、余白と文字のバランスといった要素を総合的に評価しています。また、[のびのび]というテーマが特徴的な本書展ですので、このテーマにふさわしい自由で個性あふれる作品を選ぶことも心がけています。

●子どもの字や表現方法の変化について

20年ほど前、私自身の子どもが出品した際の作品と比べると、表現方法に違いがみられるように思います。当時は国際色豊かで、その国の挨拶を大きな紙に書で表現し、のびのびと自分の気持ちを形にした作品が多く見られ、筆を持つ事自体を楽しんでいる様子が伝わってきたのを覚えています。現在では豊富な情報量の影響からか、自分が関心を持ったテーマを深く追求し、書という道具を使って奥深い表現を試みる作品が増えてきました。そんな姿から、子どもたちの表現力の多様化を感じています。

●本書展の今後について

最近、ワーキングホリデーでノルウェーに滞在している方が、半紙、墨、筆を持参し、現地でワークショップを開き、書道を通じて現地の方々と交流しているという話を聞きました。こういう活動は、書という文化が人と人をつなぐツールになりえることを示しています。
幼い頃から書道に触れることは、大人になったときに自身の世界を広げる手助けになるかもしれません。本書展が今後も続き、子どもたちに出品のきっかけを与えることで、未来を切り開く第一歩になるなら、それは非常に意義深いことだと感じています。

外山錦紅先生